色づく毎日(4日目、5日目)
4日目
今日はライカ先輩と一緒に他の先輩の部屋にいって改めて自己紹介をしてまわった。
私が生活に慣れてきたことを感じているのか、先輩方は初対面の時よりも遠慮なく私にいろんなことを聞いてきてくれた。
私も答えれられる範囲でそれに答える。どうしても自分がどういう経緯で英雄と呼ばれることになったのかは話せなかったけど、先輩方はそれぞれの英雄譚を話してくれた。
世界を魔王から救った勇者、殺人兵器を滅ぼした戦士、神の声を聴き国を導いた神官など、先輩方は英雄と呼ばれるにふさわしい功績を持っていた。
自分と比べて落ち込みそうになるけど、そんな私の気分は発明家の先輩と一緒に魔法道具作りをしていた弟が起こした大爆発ですべて吹き飛んだ。
……みんないろんな能力を持った人たちだからこういう事故はよくあるらしい。
5日目
今日はライカ先輩とソフィア先輩と一緒に近所のショッピングモールに行った。道中昨日は聞けなかった二人の先輩の英雄譚を聞いた。
勇者の兄と共に世界を救い、そのあとは自分の国の王子に嫁いだライカ先輩。
人間とエルフの和平を結び双方の生活を豊かにしたエルフの女王ソフィア先輩。
今の二人はとても王族らしいおしとやかさはないけど、それは若いころの姿で天国にいるからだろうか。
さらにお二人は魔法が使えるようで、初めて魔法を近くで見た私はすごく興奮した。それと同時に私の能力は天国でも使えるのか気になった。
服やアクセサリーを沢山買いさあ帰ろうというときに、私は二人の先輩を抱えて頭の中で屋敷をイメージする。一瞬のち、私たちは屋敷の前にいた。
私の瞬間移動の能力は天国でも使えるようだ。
私がこれは魔法ではなく自分の能力だと言うと先輩二人は「私にとってはそれも魔法と同じよ!」と言った。
読んでくださりありがとうございます。