78/126
19話 尊師と老師の対話
老師は尊師のところにいた。
「尊師様、異質のものたちが伝播しているように見受けられますな」
尊師は目をつぶったまま、聞いていた。
「あの高揚はどうも容易に伝播していくようですぞ」
尊師はうなづいて、外を見た。
湖に大きな三日月が映し出されていた。
「リルーネシュバッティンはどうですか」
尊師はリルネのことを聞いてきた。
「あの子は天性のものを持っておる。すごい勢いで吸収しておりますよ」
尊師は宙を見上げる。
「あの子は、異質のものたちと対峙するだろうか」
老師も同じことを考えていた。
尊師は言葉を続けた。
「私は、聖が闇に染りゆくことのゆえをずっと考えていました。今だ解も因果も見つかりません」
老師も宙を見ている。
「あの子だったら、何とこたえるだろうか、、」
珍しく尊師は老師に問うてみた。
老師も黙ったままだった。




