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17話 期待される青年

 その夜、リルネは自分の部屋で一人考えに更けていた。

 フェリーシアがエイマリアに戻ってから半月ほど経っているが、一度も連絡を取っていない。リョンファンとその友達の様子を見てなつかしくなったのか、フェリーシアに会いたいと思った。

 今まで、ずっと何かに急き立てられるように修行と訓練に励んでいた。フェリーシアのいた時ですら、それしか考えられなかった。しかし今日は、何か特別だった。



 トッティやゲティーたちとのやり取りは、道すがら、二人で老師様に報告した。リョンファン的には、昔風のやり方に戻してくれれば問題解決なので、それで一件落着だった。

 老師様はリルネたちの話を聞いて、いつもと何ら変わらぬ様子で、リョンファンにも「これで厨房長の小言から解放されるのう」と、ニコリとしていた。そしてリルネに「今日はここまでじゃ」と言うと、ふらりとどこかへ行ってしまった。

 仕方なく、リルネはリョンファンと大聖堂へと戻ってきたのだった。


 帰り道、リョンファンはいろいろ説明してくれた。

「ゲティーのお兄さんは優秀なのよ。ゆくゆくは教会派をまとめるリーダーになるだろうって期待されているの」

「教会派っていうのは何なの?」

「あっ、リルネはまだ何も知らないのね。ここには、いろんなの宗旨の人たちが集まっているんだけど、大きく分けると、教会派閥、寺院派閥、回寺院派閥の3つの派閥があるの。それぞれ宗教施設を持っていて、コミュニティを形成しているわ。それをまとめているのが尊師様ね」

「へえ、、尊師様って、やっぱり偉いのね、、。老師様は、どこの派閥の人なの?」

「あ、老師様たちはもう派閥は離れているわ。尊師様の補佐役の先生たちはどこにも属さないのよ」

「なるほど、、階級みたいなものがあるのね」

「階級ってほどきちんとしたものではないけど、、。3つの派閥にそれぞれをまとめるリーダーがいて、その下に各宗派をまとめるリーダーもいるわ。普通は派閥をまとめるリーダーが偉い感じだけど、逆の場合もあるのよ。そこらへんは、、私もよくわかんないわ」

 笑いながらリョンファンは言った。

 トッティとゲティーは教会派、後輩君は回寺院派、自分は寺院派だという。宗旨間での上下関係は全くないようだった。

「ローニンは、あ、ゲティーのお兄さんね、彼は教会派でその下の各宗派の中でも、一目置かれている存在なのよ。あの若さで派閥を出て老師になるかもって、言われているわ」

「へえ、、、老師って、年齢は関係ないのね」

「ふふふ、、、そうね、普通老師って聞くとおじいちゃんかと思っちゃうわよね。でも、その上の尊師様は、お若いでしょう。尊師様は幼いときから魂の力が強くて、奇跡をいくつも起こしていたんですって。歪の橋を架けたのも尊師様だしね」

 リルネはここに来た時に一度会ったきりで、その後尊師とは会っていなかったが、尊師のただならぬオーラは忘れらない。

「だから、ローニンも第二の尊師様になるんじゃないかって、みんな期待しているのよ。でも、若い人たちがリーダーになっていくと、その上の年代はついて行けないかもね、、、」

 リョンファンは厨房長のことを考えているようだった。



 リルネはフェリーシアに相談してみたかった。人望のあるローニン、、、しかし尊師様は、、おそらくその人を観察している、、、。

 リルネはあの一瞬、トッティが説明してくれた、、あの短い言葉に乗っていた彼の感情、、それをかすかに感じ取っていた。素朴で壁のないいい人たちだったが、、しかし、あの時の彼の言葉には、尊師が以前語っていた高揚感が乗っていたのを、リルネも感じたのだった。

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