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マリンガールズ〜思いを乗せた方舟〜  作者: ハナビ
海の学校
8/69

新しい町の賑わい

 私は碇さんに自己紹介をして軽く会釈をして日常会話へ戻っていきます。

「この辺りは、おしゃれエリア。最近の流行がチェックできるから来ると良いよ。」

煌びやかな服、ショーケースに飾られている多くの服は、まるでファッションショーのように見えてきて。

「美しいです。」

「ちょっと。目を輝かしすぎよ。」

碇さんはテンションが高まっている私に反して冷静に町の案内を続けてくれます。

「碇さん。この服。とても似合うと思いますよ。」

「何言っているのよ。」

碇さんは照れて恥ずかしそうな顔をして私が選んだ服をそっと見つめていました。

「碇さん。着てみましょうよ。」

私の声に碇さんは、驚いたようで後ろ歩きをして離れようとしました。

「だめですか?」

「えっと。」

碇さんは初めての経験をする子どものように怯えながら、服を選びました。

「着替えてくる。」

「はい。」

碇さんは可愛らしい薄手の黒色のTシャツとベージュ色のスカートを持って更衣室へ向かいました。

私は碇さんの着替えが終わるまで待ちながら、服を見ることにしました。

お店には各種多くの服が揃えられており、ファッションに興味のある学生が足繁く通うことも考えて集まっているように感じられます。私は陸の服屋さんに行ったことが少ないため、最近の流行が分からず、新しい服を見ては映し鏡の前に立ち、着てみた姿を想像していました。

「碇さん。」

私が服を探していると、更衣室から碇さんの声が聞こえてきました。

「開けますね。」

私は碇さんの合意を受ける前にカーテンを掴み、開けてみました。

「ちょっと。変…でしょう?」

碇さんは私の方を見て赤くなりながら、服の感想を言いました。

「変ではありませんよ。かわいいですし。」

「か…かわいいなんて。恥ずかしいからやめて。」

碇さんは着ていた服を脱ぎだしました。

「ちょっと待ってください。碇さん。」

私は碇さんのいきなりの行動に驚き、更衣室のカーテンを閉めて隠しました。

「碇さん。どうしたのですか?」

「別に何もない」

碇さんが再び現れると、選んだ服を畳み。傍にあった買い物籠に入れました。

「まあ。かわいいからこれにする」

恥ずかしい所があったものの。碇さんは、籠に入れて私の方を見つめていました。

「湊さんも何か買うの?」

「では、私も買います。」

碇さんに勧められたのもありますが、私も新しい服を選び、買うことにしました。

灰色のハイネックセーターに黒地に白色のチェック柄のダウンコート。下に紺色のジーンズを選び、着替えます。

「どうでしょうか。似合っていますか?」

私は更衣室で服を着替えて碇さんに見せてみました。

「かわいいよ。」

「それでは。私もこの服にします」

私も気に入った服を選び終え、レジへ向かい購入を済ませました。

「服も買ったことだし、次の所へ向かいましょう。」

煌びやかな服が並ぶファッション通りを抜けて歩き続けると、外食チェーン店が並んできました。

「ここの通りは、ファストフードチェーンが並ぶ通り。お腹が空いたら、何か買いましょう。」

私は碇さんの案内に着いて行き、町の雰囲気を少しずつですが、感じながら歩き続けました。

「そして、ここが私のお気に入りの場所。中央公園。高台になっているから。町が一望できる。」

公園からは町を一望できており、綺麗な海も見えます。私たちが歩いてきた道のりも見え、かなりの距離を歩いてきたことを今更ながら気付きました。

「空気が美味しいですね。」

「ええ。そうね。」

碇さんは少し落ち着いた面持ちで町を見ていました。

「内陸に来過ぎだから沿岸に行こう。」

「はい」

案内したい場所を決めたようで、碇さんは坂を下り、再び海の方へ向かいました。

「ここはお寺。崖のぎりぎりに建てられたお寺で、有名な岩窟もあるんだよ。」

「岩窟ですか?」

私は陸の地形について分からないため、碇さんの話を聞いて学びました。

「ここの通りはさっき、中央公園に向かうときに見た大通りの次の通りの先ね。ここを真っ直ぐ行く。で、この信号機で右に曲がって大通りを突っ切れば。…ここが今日から三年間、私たちが学ぶことになる国立海洋学院第一高校横須賀基地よ。生徒数が日本最大の海洋高校でも有名だね。これで私の街案内は終了。ここからあなたの家へ向かってみたら。」

碇さんは私に町の案内をし終わると、そのままどこかへ向かいました。

「ありがとうございました。碇さん。」

「じゃあ。私は、家に帰る。迷子にならないようにね。」

碇さんは最初怖い人かと思いましたが、とても優しくて面倒見が良い人でした。

「私も家へ向かおうかな。」

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