緑の暖かさ
「スゥー。ハァー。よし。」
漸く着いたそこは多くの人と荷物が行き交う豊かな港。私はそんな海の香りが薄く残り、動かない地面を堪能して繁華街へと足を進めていきます。
「学校は沿岸部にあるんだったかな。」
初めてくる場所を歩き周ると、色んな服を着た生徒らしき人たちが同じように歩いています。同い年の子なのかなと思い、胸の中はワクワクとドキドキでいっぱいになり、待ちきれなくなってしまいました。
私が今から向かう場所は明後日。入学式が行われる国立海洋学院第一高校横須賀基地です。昔は造船所や病院が建てられており、国のため、国家のために戦っていた歴史がある場所がこの横須賀です。現在では世界全土で争いを無くすため、基地内でも武装行為を取りやめており、立派な船員になるための人材育成が行われています。学校では一般授業と海洋学授業を取り組み。実践に近い学びを主としています。
「ふぅ…」
私は陸で歩くのが久しぶりなので、揺れのない生活に慣れていないため、少し疲れてしまい、近くの公園にあるベンチに座り、一息つくことにしました。
「久しぶりの陸だなぁ。海の潮の香り。陸ならではの緑のほのかな香りもあって、温かい。」
台風も過ぎ去り、日も出ているため温かく。時間もゆったりしているため、眠たくなってきました。