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マリンガールズ〜思いを乗せた方舟〜  作者: ハナビ
航海実習
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航海計画

伊豆大島から出航して約三〇分しか経っていませんが、艦内は忙しそうに船員が動き回っていました。

『船長!機関室の浸水被害は落ち着いてきたよ!』

伝声管から聞こえてきた流ちゃんの大きな声は無事の証になり、心配していた私も安心する声でした。

「あとどこくらいかかる?」

『雨の被害は機械部分には届いていねえからな。確認箇所が多いが、修理する部分は少ないと思うぜ!』

私は機関室の状況が分かりませんが、後少しであることが流ちゃんの話で伝わってきました。

「あともう少しお願いします!」

『おう!』

私は流ちゃんに声で応援して、他の箇所を確認しました。

「防空指揮所のみんなは大丈夫?」

『平気だよ!みんな元気!』

元気な防空指揮所のみんなは私の声に一人一人が伝えてくれました。

「艦長、大きな被害がないことを確認できたので、私たちは通常の配置について機関室の確認が終わり次第、動きましょう」

「そうだね」

マチちゃんの提案に頷いて、私は行き先の確認をしました。

「八丈島への航路だけど、どうしよう…」

出航時に考えた航海計画をそのまま進めることも可能でしたが、この調子で進むにしても不安が強まっていたため、考え直すのか相談しました。

「艦長、私はこのまま計画通り進むべきだと思います。今更、変更したとしても船の中で混乱が発生するだけになります」

「確かに…」

船の中では協力することや情報共有することが大切であるため、濫りに変更することが良いことではないとマチちゃんから提言されました。

「航路の変更よりも遅まると思われるので、この先に向けて当直の人たちにも状況を報告することが大切です」

私の不安を理解しているようでしたが、マチちゃんはその上でも冷静にこの先の航海を定めていました。

「ありがとう。マチちゃん!」

「わ…私はこの船で混乱が起きないようにしたかっただけなので…」

マチちゃんは褒められるのに恥ずかしがるようですぐに気持ちを落ち着かせました。

「良いわね!この先もちゃんとするのよ!」

「うん!」

私はマチちゃんの顔を笑顔で見ながら返事をしました。

「何かしないといけないことあるかな?」

機関室が動けるようになるまでの時間に余裕ができたため、ポツリと口にしました。

「少しくらい待てないのですか?」

「だって、機関室が動けるようになるまですることなくなったから…」

マチちゃんは呆れた顔で私の会話相手になってくれました。

「あなたは苦労が絶えませんね」

「そんなことないよ!」

波でゆっくりと揺れる船に待っていると、伝声管から声が届きました。

『待たせたな!エンジンの確認をしたが、異常はなかった。航海が可能だぜ』

「ありがとう。流ちゃん」

機関室から聞こえてきた声を確認して私たちは改めて航海の準備をしました。

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