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マリンガールズ〜思いを乗せた方舟〜  作者: ハナビ
海の学校
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心の騒めき

「暇になっちゃったなぁ。」

私は外ばかり見ているのも退屈になったため、いつになるのか分からない入学式に向けて、ガイダンス資料を見ながら、持ち物を大型鞄に入っているのか。開けて確認することにしました。

生活用品(数日分の私服と制服、下着類、歯ブラシ、コップ、小型容器三本⦅シャンプー、リンス、ボディソープ⦆)。生活用品だけではなく、アナログ羅針盤、懐中電灯、自然科学と書かれた本や、海洋学基礎、海洋物理学、海洋化学、生物海洋学、海洋地質学と海に関する分厚い専門書が私の用意した鞄の中に入っていることが分かりました。

「そうだ!」

 私は一冊当たり300頁ほどある海洋学の教科書を数冊、鞄から取り出し、机に積み上げると、椅子に座り、教科書を開きました。海洋学に関する勉強は、今まで理科の地学分野の時にしか学んでおらず、分からないなりに予習を始めました。海洋学基礎と書かれた分厚い教科書の中でも比較的薄く、分かりやすそうな本を読むことにしました。そこには環境と書かれた今までの学習で得なかった新たな項目の知識が書かれていました。読み進めていくと、この100年で変わった環境について、陸を中心に生活していた頃にどんな環境対策をしてきていたのか書かれており、SDGsと呼ばれる環境対策、再生可能エネルギー、難民問題といった今では当たり前のように使われる言葉も新しい活動として書かれていました。

「2030年問題。2050年問題。」

そこには私が聞いたことがない対策項目が書かれており、過去に目指していた目標だと分かりました。私は表を見ながら現在の世界と比べることにしました。それによると、多くの対策が遅れて成功していることが分かりました。

遅れて成功した理由の例が幾つか書かれており、災害によって間に合わなかったという例やはやり病によって、外交が頓挫してしまった例が書かれていました。

私は環境問題の分野を読み終えると、生物海洋学分野の頁を開いた。海の生き物、単細胞生物について細かなことが書かれています。しかし、生物学と呼ばれる分野でも絶滅危惧種にされている多くの生物の理由が環境問題だと書かれていました。

「マグロって昔の人は、食べていたんだ…」

私は知識として知っていた生き物が食用として食べられていたことに驚きました。

「クジラも食べていたなんてすごいなぁ」

 今までマグロとクジラを鑑賞するだけだった私からすると、食用にされていたことに驚きました。次の頁に捲ると、生物の進化をまとめたページを読み始めた。教科書では海の学びだけではなく、陸の学び。生態系が多く変わってきていることが書かれていました。中学の理科で習った生き物の進化論を詳しく書いた文章が数十頁も続き。生き物とはどのように生まれてきたのか。人間が生まれてどのように生態が変わってしまったのか。が詳細に書かれていました。

「『人間によって、数万種の動物が絶滅の危機となっており、絶滅した動物も数万種存在している。』っか。人間だけじゃなくて、環境で絶滅する動物もいるのに…大変だなぁ」

 私は海洋学基礎の教科書に書かれていた内容を読んでいると、何もしていないにも関わらず、何か危害を加えたような気持ちになりました。海洋学基礎の教科書は、他にも物理や化学、地学といった分野についても書かれていました。私は分からないことを飛ばしながら軽く読み進め、一時間程度で教科書を読み終えると、再び鞄の中に入れ、未だに読んでいない分厚い教科書を一冊ずつ軽く読んでみることにしました。内容はやはり難しく、教科書の頁を飛ばしながら読み続けていきました。

「海浜流。沿岸流。波の流れが岸に沿って流れる流れ…。離岸流。波の流れが海岸から沖合へ押し戻す波の流れ…。向岸流。沖合から海岸に向かう流れ…。循環流。離岸流から向岸流に向かう流れ…。」

単語自体は、授業で何度も聞いたこともあり、学んだ範疇の情報でした。しかし、最近の異常気象によって、沿岸流はうねりを持った強い波になっていることや久しぶりに陸に泊まることも相まって、事故が起きるのではないのかと心配してしまいました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 全く何にもない星にやつらが足音とともにやってきたのだ。
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