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殿下の尋問?・・・『存じません』

「あ、お目覚めですか?サンサ様」

 サンサ様は茶を啜りながら外を眺めていらっしゃる。

 静かにゆっくりと振り返り朝から鋭い目でこちらを見据える。その鋭さに私も飛び起きた。


「茶を飲め。聞きたいことがある」

「はい」


 小さな椀に手を添える。何を聞かれるかどう答えるべきか逃げ場がないのは百も承知。


「単刀直入に問う。ミラクを知っているか?」

 何故その名を私に問うのだろう……知りませんで通すべきか……白状すべきか。カヤさんも決して言うなと。ああ……。


「存じません……」

「まことか?」

 サンサ様は刃物の如く突き刺すような眼差しを向けてくる。私にゆっくり数歩歩み近づく。

「……はい」

「では、嫌な夢を見たか?」

「……え 覚えておりません。私、何かおかしな事を?」

「ああ……お前はおかしい。悪夢にうなされミラクという名を呼んだ。西の王の名と同じだ……ミラク」

「…………」


 その時だった。スーッと冷たい感覚が、まさか。

 サンサ様が部屋を出た後急いでカヤさんを捕まえる。


「カヤさん!カヤさん!」

「どうされました?おはようございます セリ様」

「月のものが、来たようです」

「は?え?急いで確認しましょう」


 ◇


 やはりそうだった。懐妊ではなくただ遅れていたようだ。


「こんな事になりました故、ご懐妊では無くほっといたしましたね。セリ様、こちらへ来て少し心が安らいだのでは?」

「そんなっ、毎日びくびくしていますのに……安らぎなど……無縁です」


 たしかに……眠りが浅い私がサンサ様の隣では朝まで眠りこけている。一番安らぎには遠いはずのあのベッドで。


「カヤさん、サンサ様にミラクとは誰だ、西の王の名を何故呼んだか問われました」


 カヤさんは口を鯉のようにパクパクさせる。私も本当はそんな顔をしそうなのをサンサ様の前では必死に堪え平常を装った。


「……なぜですか?何故呼んだのですかーーー?!」

「カヤさんっ声が大きいです」

「あっ失礼」

「恐らく……寝言です」

「ね……寝言?!」


「失礼いたします。セリ様、お食事をお持ちいたしました」


 そこには、大盛りの玄米に卵焼き、焼き魚、野菜の汁と杏の蜜漬けが。


「こ、こんなに?サンサ様はどちらへ?」

「殿下は既に朝の議へ向かわれました。セリ様にいつもの倍の食事を用意するよう言われましたので」


「私がお手伝いしましょうか?」

「駄目です!カヤ様。殿下は痩せ細ったセリ様を心配して用意されたのだと存じます」

「ああそうでしたか。さ、セリ様、頂いてください」


 私が痩せすぎだと……たしかにすぐに疲れやすいのはこの体のせい……。西の国ではミラク殿下は見せしめのように私の食事を抜いたりしていた。早く追い出したかったのでしょう。

 それにしても、これから寝言をどうすれば……。女官が去りまた私達は話を仕切り直す。


「では、次に直近何をしていたか聞かれましたら……西国との国境付近、セリ様の育った街サルマで過ごしていた所私と知り合い東に仕事を探しに来たというのはどうでしょう?」


「あの…………あのお方に嘘をつき通す自信がありません……」


「え?!で でもセリ様が西の妃だったなんて言えば……潜入目的かと囚われます。」

「そうですね……あああ」

「あああ」

 もう私達の会話にはあああしかでなくなる。


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