【声劇台本】猫耳は偉大なり
※登場人物※
人数→4人
ルナ:一匹狼になりたかった女子高生。クール系で若干不良っぽい。好きなおにぎりの具は梅。しかし、納豆巻きの方が好き。
ミカコ:自由人な女子高生。ルナのことが気に入っていて、毎日振り回している。好きなおにぎりの具は明太マヨネーズ。しかし、最近は塩むすびの良さに気づき始めた。
マユ:学級委員長。真面目で世話焼き。マイペースなカナの世話を焼いていたらカナに懐かれた。
カナ:究極のマイペースで大体寝てる。のんびり屋。熱心に自分の世話を焼いてくれるマユに懐いた。
※注意など※
・使用許可は不要です。
・自作発言はしないでください。
・登場人物は女子高生という設定ですが、男子高生という設定に置き換えて男性の方が演じてくださっても構わないです。何人かを男子高生という設定に置き換え、男女で演じるのも可です。
・一人称と語尾の改変はOKです。
・本文の内容も改変可ですが、全く別の内容に変わってしまうような大きな改変は控えていただけると幸いです。
※本文※
カナ
「ぴ〜ん〜ぽ〜んぱん〜ぽ〜ん♪ ただ今より〜、マユちゃんの回想が始まりま〜す。それは〜、今日のお昼休みのことでした〜」
***間(3秒間)***
マユ
「さあ、そこまでよ。ミカコさん」
ミカコ
「うぅっ……。どうして……。どうして見逃してくれないの……?」
マユ
「授業に関係ないものを持ってきてはいけないの。これはこの学校のルールよ。というか、常識よ。だから、"それ"は没収。ほら、早く渡しなさい」
ミカコ
「やだやだぁっ! あたしは、どうしても見たかったんだもん! どうしても……。どうしても、猫耳を付けたルナちゃんが見たかっただけなんだもん! だから、この猫耳カチューシャは渡さない!」
マユ
「ね、猫耳を付けたルナさんですって……?」
カナ
「へえ〜。なんだか想像できないな〜」
ミカコ
「いや、カナちゃん。絶対に猫耳ルナちゃんは可愛いよ。あたしが保証する。ちょっと考えてみて? 猫耳付けたルナちゃんが『にゃ〜♡』って言っている様子を!」
マユ
「あのルナさんが? どこからどう見ても素行が悪そうなルナさんが、そんなあざと可愛いこと……」
カナ
「あ〜。でも、アリかも〜」
マユ
「ちょっと、カナさん! ミカコさんの味方をするつもり!? とにかく、学校に猫耳を持ってきたら駄目なんだから!」
カナ
「う〜ん。ねえ〜、ミカコちゃん〜。ちょっと、その猫耳借りてい〜い?」
ミカコ
「没収しない? 5分以内に返してくれるって約束する?」
カナ
「うん〜。約束するよ〜」
ミカコ
「じゃあ……。はい」
カナ
「ありがと〜。それでは〜。マユちゃん、よ〜く見ててね〜?」
マユ
「カナさん、あなた一体何を……」
カナ
「この猫耳カチューシャを頭に付けて〜。はい〜。にゃ〜♡」
マユ
「なっ……!?」
ミカコ
「おお……! 分かるっ! 後ろから見ても可愛いっていうことが分かる! 猫耳カナちゃん……可愛い……!」
マユ
「ど、同意します……。可愛すぎるわ……」
ミカコ
「ということでさ、マユちゃん、もう一度想像してみてよ。あのクールで一匹狼を気取っていて、不良感の漂うルナちゃんが、この猫耳を付けて『にゃ〜♡』って言ったらどうなる?」
マユ
「か、可愛い……。ギャップ萌えが爆誕する……!」
ミカコ
「ね? 見てみたいでしょ?」
マユ
「見たい……。見たいわ……!」
ミカコ
「じゃあ……。分かってるよね?」
マユ
「……仕方ないわ。今回だけは見逃しましょう」
ミカコ
「流石、 話が分かる学級委員長! ありがと!」
マユ
「あ、カナ……。ついでに写真、撮っても良いかしら?」
カナ
「どうぞ〜。にゃ〜♡」
マユ
「ああっ……! なんて可愛いの……!」
***間(3秒間)***
ミカコ
「そして今は放課後! というわけで! ルナちゃん、この猫耳カチューシャ付けて!」
ルナ
「断る」
マユ
「その返答は認めません。あなたはこの猫耳を付けるべきよ」
ルナ
「なんで委員長までいるんだよ……」
カナ
「私もいるよ〜」
ルナ
「お前、委員長止めろよ……。友達だろ……?」
カナ
「私も〜、猫耳ルナちゃんが見たくて〜」
ルナ
「はぁ……。そんなもの、私は絶対に付けないからな」
ミカコ
「むむむ……! あたしは絶対諦めないぞ!」
ルナ
「チッ……。『ふざけんな! テメェ、ぶっ飛ばすぞ!』と、言いたいところだが……」
ミカコ
「おおっと! あたしの華麗なる回避スキルを打破できるとでも言うの?」
ルナ
「ぶっ叩こうとしても、何故かこいつは必ず避けやがるし……」
マユ
「あらあら、学級委員長の前で暴力を振るおうだなんて、随分と度胸があるようですね?」
ルナ
「委員長がいるから、後々面倒臭いことになりそうだし……」
マユ
「あと、カナさんに暴力的な場面を見せたくありません」
ルナ
「そうだな……。カナもいるし……って、お前はカナの保護者かよ!」
ミカコ
「ほら、ルナちゃん。これで分かったでしょ? ルナちゃんは今、猫耳を付けるしかない状況に追い込まれてるんだよ」
ルナ
「そんなわけあるか! 私は……逃げるっ!」
ミカコ
「なんだと!?」
マユ
「待ちなさい。ミカコさん。ここはカナさんに任せましょう。……カナさん、お願いします」
カナ
「了解〜。よ〜し。ル〜ナ〜ちゃ〜ん〜?」
ルナ
「……っ! 私の足が……止まった……!?」
カナ
「うふふ〜♪」
ルナ
「背後から物凄いのんびりとしたオーラを感じるっ……! 抗えない……! そして、立ち止まる必要は全くないのに何故か足が動かないっ!」
カナ
「は〜い。こっち向いてね〜?」
ルナ
「さ、逆らえない……! ミカコ達に背を向けたはずが、思わず振り返ってしまった……!」
カナ
「え〜い! つかまえた〜♪」
ルナ
「うわあ! 抱きしめ……られ……。あ……良い匂い……」
カナ
「良い香りのトリートメント使ってるんだ〜。ほれほれ〜」
ルナ
「あぁ……。芳しい……。これが……女子力……」
マユ
「ミカコさん、今よ!」
ミカコ
「ラジャー!」
ルナ
「あっ……! しまった……!」
ミカコ
「猫耳……装着……!」
ルナ
「クソ……! この私が、猫耳を付けるなんて……!」
マユ
「さあ、観念しなさい。ルナさん」
カナ
「そのまま大人しく、『にゃ〜♡』って言ってね〜」
ルナ
「うぅっ……。なんていうことだ……。しかし、女子高生たるもの、潔く腹を括るしかねぇ……!」
ミカコ
「ふふん。やっぱり猫耳似合ってるよ! ルナちゃん! さあ、早く!」
ルナ
「ぐっ……。じゃあ……。1回しか言わねぇから、よーく聞くんだぞ」
マユ
「はい。それでは、ルナさんの『にゃ〜♡』まで、3、2、1……どうぞ!」
ルナ
「にゃ、にゃ〜♡」(全力で可愛く)
マユ
「ぐはっ……可愛いっ……! 我が生涯に……一片の……悔い無し……だわ……」
ミカコ
「よ、予想以上の破壊力……! と、尊い……ありが……とう……」
カナ
「その時〜、世界は一瞬だけ可愛さに満ち溢れたのであった〜。やはり猫耳は偉大なり〜。めでたし、めでたし〜」