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パラサイト・エヴェレット parasite_Everett  作者: 野生のreruhuさん
本編:第3章 欠けた緑柱石
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80節

 夜、楔のストレスがかからないように出来るだけ日常的に過ごしていた。だが、そんな思いは部屋中に響き渡るアラームによってかき消された。


「何事!?」

「サーっす。関東統合都市ないで警察署及び民間警備会社を含んだ複数個所が一斉に襲撃されいます」

「おいでなすったってわけね。総員緊急防御態勢(デフコン3)よ。完全武装で待機急いで」

「「「「「「「了解ヤー!」」」」」」」


 一方そのころ護衛対象は四階にある客間に待機していた。ここは、寝泊りができる部屋になっていて楔はここに待機することになっていた。

 安否確認のために近くにいた海斗がノックもなしに扉を開ける。

 そこには慌てた様子でいる楔の姿があった。お風呂から上がった直ぐ後だからだろうか、髪は濡れ頬はやや朱色に染まっている。


「無事か?」

「何よ……これ?何があったの」

「今、警察所と民間警備会社が襲撃されてる」

「もしかして」

「いや、そこまで派手に動くとは思わないけど。とにかく、今の立場はわかってるよな?移動するぞ」


 とにかく、移動だ。せめて防衛がしやすい地点に動くべきだろう。こんな袋小路で逃げ場がない場所なんて御免だ。

 俺はパジャマ姿で戸惑う彼女に、椅子に掛けてあったシャツと最低限の装備を投げ渡しとっとと来いと手招きをした。


「マスター!」

「礼」

「何が起こってるの?」

「わからん。けど、前回のやつと関係ないと思いたいがな。とにかく、精華さんから連絡がくるまでは地下にあるシェルターに退避だ。最悪、使っていい」

「わかった。ゆずきはもうあっちにいるみたい」


 ちょうど話が一区切り終えた時に開かれていた扉から楔が出てくる。濡れた髪はそのままだが、何とか外に出られる支度はしてきたようだ。

 俺は拳銃のセーフティレバーを外すように指示しながら、地下の階段にむけ走っていた。

 廊下ですれ違う、重武装の兵士尻目にか弱い少女を連れた海斗は地下室へたどり着いていた。

 休憩室で電源が付けられたテレビからは噴煙と煙が黙々と上がる警察署が映し出されている。警官も必死に応戦しているが、付近の住人の避難が完了していないのか対処には時間がかかりそうだ。


「やぁ、よく来たね。ふふ、外は大変そうだけど」

「ノヴァさん!」


 隔離壁を開ければ正面には会社ないで武器の整備を担当するノヴァラティア・アイヒヘルヒェンが待ち構えていた。

 いつも通り白髪の髪をツインテールにし、眠たそうな目をしながら。


「ノヴァさん!どうしてこんな所に」

「ん?あぁ、ここの防衛装置を作ったのは私だからね。ふふ、これでも一番詳しいのさ。さぁ、おいで……閉めちゃうから。ほら一般市民でしょ」


 さぁ、とまるで侍女のようにこちらに手招きする彼女が言った通りについていく。ポケットをガサゴソと動かすとノヴァはわき目を振らずにあるいた。

 ガチャンと、扉が閉まる音を聞きながら俺たちは先に進むのであった。

 あわただしくも騒がしい喧騒。海斗たちは、忙しく歩き回る職員を無視しながら奥の部屋へと進む。

 室内を見れば壁にびっちりと敷き詰められたモニター。それぞれ右上に数字とアルファベットが降られている。

 これは、外の光景か?

 普段エントランスとして使用されている正面玄関は、今ではソファーや机を立てかけ即席の障害物として期のさせている。

 一応ここは民間警備会社。一般家屋や商業施設では、壁や柱などの耐久性は低く小口径高速弾でも貫かれるが、鉄筋で強化されているため相手が爆発物(ブリーチングチャージ)を持っていなければ前を見ているだけでいい。


「前線の動きが視れるのか」

「そ、と言っても簡易的にだけどね。作戦室じゃないから音飛ばせないし、逃げる時用だよ。一応、裏道が六ケ所あってそこの所が視れる感じかだね」

「へー」

「しゃちょーはね。此処に居てほしいって。警察との連携をしているわが社は、警察の要望に応えて出動しなくちゃいけないのは知ってる、よね?いや、そこの少女は知らないか」


 そういわれた楔は確かにうなずいた。

 まぁ、世間体からの印象なんてそんなものだ。警察だって大体がくいっぱぐれたやつが肉盾やってるみたいなものと考えるのがほとんだ。


「ってなわけで、ここに精華はいない。だから、安置のここに出来る限りいてほしいってわけ」

「わかりました」

「うん。じゃ、よろしくね。舞ちゃんはここに海斗君たちはちょっと手伝ってもらいたいことがあるからついてきて。楔ちゃんは……ここで待機で」

「OK、機械強つよ妹見山!」

「頼んだ、で……手伝いってなんです?」

「簡易バリケードを……」


 それから幾分かの時間が過ぎ去った。監視カメラ内では銃撃戦が繰り広げられ、手にしたスマホでSNSを開けば阿鼻叫喚の光景が画像付きで上がっている。

 はぁ、と小さくため息をつきながらまとわりつく冷や汗を拭う楔。

 ふと自然が壁に掛けられたモニターに向いた。


「……ッ!」


 そこには、佇む少女が映っていた。

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