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パラサイト・エヴェレット parasite_Everett  作者: 野生のreruhuさん
本編:第3章 欠けた緑柱石
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76節 偽善


 何で、納期一日前に仕事が入ってくるんですかねぇ?

 先に言っときます。来週は投稿しない。なんなんだろ……いい加減仕事量の調整してもらえませんか?


 いわばこれは射的だ。祭りで五つや六つあるお遊びと同じで、打ち出すものが木栓コルクか鉛だけの違い。

 速射やタップ撃ちを求めたわけじゃあない。狙いの付け方も教えた。初心者ルーキーだって責て外側(三点)には当てる。けど、弾痕がある位置は的の余白で。

 ボディガード380はスミス&ウェッソンが開発した護身用の銃だ。開発当初は380ACPと呼ばれるNATO標準拳銃弾より威力が低い物を採用していたが今では威力不足を理由に9mmモデルになっている。

 装弾数は8+1。しかし、的に掠った弾は3。


「……よく味方(フレンドリー)撃ち(ファイヤ)しなかったわね貴女……。」


 まさか、味方に当てないようにだけはしてくれが本当に言葉通りになるとは……。

 まさに幸運だ。

 理由はそのまま今の事。そして、相手が初戦だったこと。

 いくらハンドガンと言えど少なからぬダメージは食らう。少ないダメージが蓄積して倒れるというのは戦場と言うか日常生活でも聞く話だ。

 どのくらいコストがかかるのか。少なくともちょっとした戦車ぐらいは金とか運とか必要だろう。

 損耗を恐れた敵に感謝。


「て言うかぁ、これぇ殴った方が早くない?」

「楔ちゃんだっけ?貴女格闘術の経験は」

「授業で柔道を」

「あぁ……」


 つまり使えないと。


「でも、当たるまで近づけば外さない」

「僕が思うにバットでぶん殴った方がよくない?」

「礼……基本的な女の子はバット振り回しても有効打を与えられないぞ」


 はぁ、とため息をつく。これホント拡張レールにレーザーポインターじゃなくて近接用棘爪スパイクを取り付けた方がいいのかもしれない。

 ひとしきり銃を撃った後、俺たちはアウトレッドモールに向かっていた。数週間前に俺たちか機械生命体に襲われた場所である。

 すでに復旧作業は終了し、店舗も再開しているがやはり恐怖からか客足は遠く人もまばららしい。

 警備員の常駐数も三倍ほどに駐屯しており、何かあった際雲隠れするのは容易だろう。

 ブルると精華操る大型車が舗装されたアスファルトを疾走する。外見上は同人誌でドナドナする時に使用されるハイエースに近いだろう。

 だが、こいつはPMC製。ちょっとした防弾機能や医療キットを携え尚且つ、ウインドウは外側からは見えにくい。


「だから、ちょっとした戦闘が起こっても問題ないのさ」

「我が妹よ……何でお前が偉そうに語ってんの?」

「いや、方っ苦しい説明されるときは美少女の方がよくない?まぁ、これのパトロール用が県警に採用されてるし……ガチガチに外出ちゃダメって事じゃないよって伝えたかったのさ」

「そうなんですか」

「えぇ、と言っても私たちが居ないと駄目って事だけどね」


 はぇと知らない世界に放りこまれた影響か、いつも壇上に立つようなキリリ凛とした表情ではなく明らかに疲労感がにじませる顔で聞いていた。

 と言っても俺も他人事ではないか。

 ホルスターに収められた拳銃をポンと叩き窓に目を向ける。

 景色はなんも変哲もない一般道だ。この先には確か川があって、何かイベントがあれば河川敷でやってる程度。やるのも、サッカーのクラブとかでそんなに人もうろつかない記憶に残らぬ只の背景かざり

 だが、ふと何か動いているのを裸眼でとらえた。

 信号が青になり橋の上に踊りだす。

 上から俯瞰してみる形になり、どうやら見た目同い年くらいの男女十人ほどがごみ袋をもって散策していたのだ。

 ボランティアだろうか。暇なことだ。

 チラリと一瞥して視線をはるか彼方へとずらす。

 そんなことに意識を割いている暇はないだろう。咲さんが帰ってくるまであまりこちらから動かずおとなしくするのが得策だ。


「しかし、寄生体の事になると厄介ごとがこっちに来たり一歩出た瞬間に出会ったりするのかねぇ」

 ブックマークは新着小説で投稿されたのがわかりますし、ポイントは作者のやる気にもなります。


 また、ご意見ご感想も受け付けていますよ!

 ブックマークは上部に、ポイントはお話を読み終わり『<< 前へ次へ >>目次』の下に入力案がありますよ!

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