71節 切り払う
今更月姫プレイして遅れてた。
時間がないんや!!
唐突に表れた凍りのつぶては、驚愕した俺の顔に狙いを定め飛来した。
そうだよな!いくらパチモンとは言えど、寄生体……普通に魔法は使えるのだった。
片足と継続戦闘能力を捥ぎ、両手両足を使わないで攻撃できる手段と言えば虚空から魔法で攻撃することだけだった。
低高度高速型と同じように物質に干渉したそれは、肉眼でもとらえられるほど形を得てしまっている。ならば、やることは一つ!
まるで、落ち葉を払うようにナイフを一閃!バリっとまるで応力が聞いたガラスのように砕け散る。
続いて二発、三発と打ち払っていくが、次の四発目を防ごうとして動きが鈍い腕に気が付いた。
節々が痛い。例えるならかじかんでいるようだ。
やられた、攻撃がもろかったのは単純にナイフを持つ手を凍傷にさせ精密動作を妨害すること。
今は腕が伸びきっている。確実に迎撃するためには刃身に添わせるようにしなければならず。そのためには坂手持ちに切り替えねばならない。
本来であれば小指を軸にして回転そのまま持ち変えるとするのだが、そんな繊細な動作は不可。
そんな絶望的な状況を遮ったのは、生意気な小悪魔だった。
「せい!」
正面より角度をちょっと付けた灰色の何か奥から瞬く。それは、眼前に広がる氷を粉へ解きした。
「っ!はぁ!」
瞬時にバックステップ。着地隙に、もう一度飛び道具が飛んでくるがシュパンシュピン!と切り伏せる。
チラリと視線を見やれば、横投げの投石フォームをしたゆずき。
なるほど、大方余裕が出てきたのでそこらへんにある石をぶん投げたのだろう。
確かに、魔眼を使った状態ではなくとも壊れるもろい物……石で迎撃なぞ容易。
銃なんて使ったことのない寄生体組が使える遠距離攻撃手段と言えば適切だ。
「助かる」
「お礼は後程たぁあぷりもらいますからねぇ」
「勘弁してくれ」
ふっ。小さく微笑み一斉に敵に向かって視線を向ける。
指は、動く。即効性ゆえに持続性ではないか。あるいは出せないのか。
只、わかったことは単純相手は氷の魔法を使用するということ。今まで戦った経験上、一体が複数の魔法を使うことができない。
これだけでも十分な価値。
その対象の相手は切れたアキレス健を氷で凍結して無理やり立つという離れ業を行って戦線復帰。
これで、仕切り直し。見合っての状態が続く。
須臾の間。ナイフを持つ手が力む瞬間に。
『ちょっとタンマ!いやぁ、強いねぇ君たち』
静止の声が課せられた。
「なんだ?わざわざ用があるんだろ。なければ話しかけないはずだ」
『あぁ、そりゃそうさ。なあさぁ、見逃してくんね。今日は見合いってことでさ』
「見合いだぁ?」
『そそ、時間がなかったとはいえ薬決めて売淫させてたこれには荷が重いかなってさ。だから日を改めてってことで』
「何を言い出すんですかっ」
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