69節 槍
残業が多すぎるんだよォ!!
1000文字ぐらいしかないけど、出すよー
男、と言うか槍を持った少女は全速力をもってこちらに踏み込んできた。
状況的に考えれば、数的不利を無くすために近くにいた楔を攻撃するもんだと思っていたが……決定的に指揮が不得意らしい。大方、安楽椅子に腰を落ち着けて指示しか出していなかったのだろう。
まぁ、パチモンとはいえ寄生体の運動能力は人間をはるかに超える。故に、強い奴から消しに行く心理はわからんでもない。
が、相手が悪かった。
その程度の修羅場の押し売りは飽きるほどやっている!冷静に照準を凝らし三発発砲。
回転エネルギーを伴って真っすぐ放たれた銃弾は、桜の花びらのように槍によって弾き落とされた。流石の動体視力、だがこちらが取れる有効打撃が銃撃しかないと思っているのならばそれは舐めすぎだ。
海斗は、銃弾を弾かれると同時に一歩前に踏み込んだ。
本来であれば、遠距離攻撃持ちが近距離攻撃の間合いに入ることは自殺行為である。それは、現代戦闘でも変わらない。
銃が最強な武器でも接近戦では拳やナイフの方が強いのは軍人であろうが一般人であろうが周知の事実。
だが、相手は人間の身体能力を大きく超えるパチモン寄生体。拳銃の間合いから接近戦の間合いへ移るからと言って、ナイフを構えれば槍のリーチで叩き落されてしまうだろう。
普通ならば。
さらに、顔面に向けてもう一発。ダメージを与えることが可能な攻撃が頭部に来た。これだけで、ほとんどの生物が動揺し動きが遅れる。
だが、そこは体のスペックによってもう一度叩き落とされるが。
「っ!?」
彼女の表情はわからない。だが息をのんでいるから驚愕しているのは定かであろう。まるで、アッパーカットをされたかのような衝撃が槍から腕へと伝わる。
「驚いたか?相手の体制を崩すように攻撃するのは得意分野なんだよ!!」
基本的に海斗の戦闘は銃を使った妨害攻撃である。相手が踏み出すなら浮いた瞬間に足を撃ち、鞭を振るうのなら横に叩く。
そして、もう二つ海斗は武器を持っていた。それは、礼から作られた特別製のナイフ鋼鉄の狼。
高い耐久性を持ち、尚且つ機械生命体の防御力を貫通しうる一級品だ。
故に、槍ぐらい受け止められる。
「ふっ」
不完全ながら鋭く突きを放つ。本来であれば槍と言えば棒の先端に包丁のような長さの刃物が付いているものと想像するのであろう。だが、やはり寄生体由来の武器幅たりが大きく分厚く中心に泡色の宝石が暗闇で頼りなく軌跡を描く。
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