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パラサイト・エヴェレット parasite_Everett  作者: 野生のreruhuさん
本編:第3章 欠けた緑柱石
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67節 濃霧

 結局お盆漬かっても4000文字行かなかったんですけどね!!


「使い方は想像道理。狙って引き金を引く……標準デフォルトでレーザーポインター機能がガードと一緒に付いているので狙うの(エイミング)も難しく考えないで大丈夫です。ただ、友軍相撃(フレンドリーファイヤ)は気を付けてください」

『と言う訳でナビゲーターを務めるかわいいかわいい舞ちゃんだよ。音声ちゃんと聞こえてる?大きければ付いてる絞りで調節してね』


 さすがは生徒会長と言うべきか、与えられたものに戸惑いながらもきっちりと使い方を聞いて実践している。受け取った銃はポーチの中に、インカムは髪で隠すようにし外見上にはただ散歩する女子高校生に見えることだろう。

 その光景を見ながら自分も準備を始める。こっちはいつも通りにHMDに拳銃。ゆずきや礼は顔を見られないように狐のような仮面をかぶっていた。

 恰好はいつもの戦闘衣装ラバースーツじゃなく、礼は黒と赤を基調にゆずきは紫色を基調とした服を着ていた。


「さて、では行くか」

「わかりました、こちらです」


 そうして楔の後を付いていく三人。十五分ほどで妹が誘拐された場所だという割れる場所に付いた。

 そこは、細い道が網目のように連なる場所だった。周りは住宅と道路を境界するコンクリートブロックが連なり、明かりは一定の間隔で配置された街灯だけ。しかも禄に整備されていないのだろう。ちかちかと点滅する様は光源として頼りない。

 それに、人の気配がない。外出して得る娯楽が田舎にないというのも有るのだが……それでも通る車のエンジン音すらなく、静寂に包まれていた。


「ますっ……海斗、いくら夜だとしても静かじゃないかい?家に光だってともってない」

「あぁ、少子高齢化と機械生命体の襲来のお陰で人口密集地との格差……所謂過疎化が進んでな。実はここら辺は空き家なのさ」

「これが資本主義の闇ですよねぇ」

『人が居ないし明かりもない、監視カメラ(セキュリティー)もない。これは、誘拐され(ぬかれ)ますわ。いや、そもそも国民から高い税金とってこれとはいかに。何が消費税十五だよ、欧州と安い?比較って言うのは一つ以外は同じにしてやるもんなの。地理も気候も人種もぜんぜ』

「ごめんなさい。貴方の妹黙らせてもらえます?」

「妹よ。それは選挙できる年齢になってからねー。真面目にやろうぜ」


 しかし、監視カメラがないと来たか。

 つまりは、舞が用いるハッキングによる全方位索敵ができないこと意味する。こちらを把握するためには俺のゴーグルに付けられたカメラだけと言うことだ。

 まったく面倒な。

 そう話していると楔が道の真ん中でとどまっている。どうやらここのようだ。しかし、まぁ……。


「なんだこれ?」


 道路のど真ん中んびに直径五メートルほどのクレーターが異常さを主張している。


「舞ちゃん。ここ数年で隕石が落ちたって言うのは聞かなかったかい?」

『え?いや、ないと思うけど』

「警察官は機械生命体の仕業だって、こんなの出来るのは人間じゃないって。けどおかしいじゃないですか……機械生命体は人が多い所を好むのでしょう?ここは過疎地で尚且つ血痕もない」


 確かに。

 機械生命体は基本的にマナを手に入れるために人間を殺す。故にわざわざ誘拐などする必要はない。それに、今までの経験でアウトレットや商業地域など人間が多い所だ。

 逆に寄生体がクレーターを作ったとするならばそれも不可。何故なら寄生する前の本体の脆弱性は有名だから。


「で、どんな感じだ?」

「これは、マナの残滓を感じますねぇ」

「やはり……か?」

「ただ、私を襲った人とは別人ポイですねぇ」


 遭遇したゆずきが言うならそうなのだろう。

 とにかく、こちらも色々持ってきたものがある。バックから四角いものを取り出し楔に手渡した。


「なんですか?これ」

「小型カメラとか色々さ。防水で便利……ネットにつながってるからいつでも見れる。」

「こんなものを」

「いや、何時までも張り込みをする訳にはいかないだろ?」


 そう言ってしゃがみながら見えにくい場所にカメラを設置していく海斗。それに合わせて他三名も不慣れな手つきながらも手伝う。

 それほど時間も掛からずに持ってきたカメラをセットし終わる。しかし、不幸なことにぽつっと頭に冷たさが罹った。

 それは、少しずつ確実に空から雫が降り注いでいて。


「雨か……ついてない。雨具なんて持ってきてないぞ」

「まぁ、ちょうどいいじゃないですかぁ。そろそろ帰りっ」


 ゆずきの言葉が詰まる。なんだこれは。

 悪寒に従い俺は辺りを見渡した。先ほどまで一切気配のなかった濃霧が辺りを包んでいた。

 ただの霧じゃあない。有可視十数メートルほどしかない深い霧。まるで、牢獄のように空間に隔たりを立てている。

 肌をなでる湿度が俺たちをこの場に繋ぐ鎖のように感じられた。

 嵌められた!?


「やばい。みんな辺りを警戒……っ」


 ホルスターから拳銃を抜き叫ぶと同時に顔を上げれば、眼前に迫る一振りの足が視界を染め。


「っ」


 瞬時に立ち上がろうと動き出すが相手の方が運動性能が高く。

 バン、まるで薄板に固形物を思いっきり叩きつけたような音が辺りに響き渡る。女性陣が一斉に振り向き見たものは……。


 宙に舞う海斗の姿であった。


「マスター!!」


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