63節 夏休みはまだ終わらない
残業と土日つぶしは終わらないっ!!
一応、オリンピックの時に休暇が入るのでその時の時間で62、63話の改修を行いたいなって。
今後、このような忙しい時はツイッターあるいは活動報告でご報告しますので是非。
あぁ、そうだ。もう夏休みの時期ですか。大人になってからこんなこと言うのはあれですが……時間があるのは子供のうち。何かにチャレンジしてみてはいかが?小説だって試しに書いてみていいんです。
とにかくいろんなことをやってみましょう!
その後、なんやかんやありつつ朝ご飯を取ることになった。
全く……ご飯を作るために起きたはずが結局は疲れて礼に作らせちゃったよ。しかしまぁ。
チラリと調理場に立つ礼を見る。背筋をピーンと伸ばし、長い髪をひとまとめになびたたせ料理を作る姿からは、歴戦の主婦を醸し出している。
すでに、家庭料理以外の実力派俺を超えその他家事も完全に任せてもいいかもしれない。
きれいに焼けめが付いた鮭をご飯と一緒に食べ、テレビをつければ巷で話題なあるニュースが流れてくる。
「ロシアの内乱まだやってるんだ」
「まぁ、な。ソ連の再生とかいうけどこれしかやらないとかマスコミもネタ切れなのかね」
「まぁ、今時テレビなんて老人しか見ないですからねぇ。私達若人はネットで見られますしぃ」
「そういえば、僕聞いたんだけどヴェロニカしばらくは日本にいるらしいよ」
「あぁ、そりゃ内乱してるし敵に重要情報は取られたくないだろうしな」
テレビで報道されていたのはロシア連邦で行われていた内戦の様子であった。
カメラマンの目の前にはカラシニコフを打ち合う軍と反乱軍。正規軍の方が装備は最新だが、クデーターの方が口径が大きく威力がでかい。
防具を貫通できる反政府軍が曲著的な戦闘が有利に運ばれていた。
足を負傷し折れてはいけない方向に折れてしまった兵士を担架にのせるさまは対岸の火事だとわかっていても、臨場感をあたえてくれる。
しかし、まぁ十時にやる映像かねこれ?ライブ映像とはいえ無修正で流れてるんだが。
案の定すぐに映像が切れ、自称専門家とアナウンサーが一問一答をしていた。
「しかし、ロシアの事に潰されてほしい情報は手に入らなかったな」
「ゆずきが観たっていうローブの二人組だったんだってね。それも片方が寄生体っていう」
「精華さんの情報ですとぉ……天使の教会が一番怪しいらしいですけど。流石に尻尾は出ませんか」
天使の教会。
それは、九年前機械生命体の襲来とほぼ同時期に出来た新興宗教団体である。
新しくできたものだからとなめてはいけない。廃墟都市の運営、業界上層部とのコネ、圧倒的な武力を持つとされるいわばテロ組織。
高い技術と豊富な人材によって人体実験をしているのではないかと噂され事実、人身売買などで高い収益を上げている。
警察も要注意団体として捜査を進めているが一枚岩ではないらしい。
「天使の教会か……一応、僕も聞いたことがあるよ。なんでも機械生命体はこの汚染された世界を再臨させる掃除屋だって」
「じゃあ、人間と機械生命体の間である寄生体はどうなってるんだろう?」
「兄、それは異界と今生をつなげる代弁者って扱いらしいよ。よくある終末思想さ。世界はいつか終わるものと決めつけ本当の幸せは次の世界にあると信じるって考え。わかりやすく言えば最近のライトノベルとかそうだね。死んで異界にいったらチート能力をもらって幸せになるんだから」
「それで、テロされたらたまったもんじゃない。まぁ、空想上でやるんだったらまだしも俺らを巻き込まないでくれってことだな」
チラリと三人の視線が一挙に海斗に集まる。目を細めて意思統一をして異性に叫んだ。
「「「いや、無理だろ」でしょう?」ですよぉ」
「……いうな」
わかってる。その天使の協会とやらが寄生体を神聖視しているのならば、俺の存在は面白くないだろうってことは。
ただ、俺の姿は見られていないはずだ。まだ、本来の寄生体より知性を獲得できた変異種と思ってくれいているだろう。そう願いたい。
が、多分逃れることはできないんだろうな。
礼と出会って、並行世界の光景が一瞬でちらつく。
天使の教会……あっちで追いかけられていた組織と同じ名前だ。そして、緑色の少女のコアクリスタルがあの倒れていた残党と同じ半分に欠けていた。
決して干渉できない。いわば、透明な壁越しに見ている光景で線引きがされている。
だが、少しづつ少しづつ、透明な壁がひび割れ赤い血が隙間から侵食するように漏れ出ているように感じるのだ。
もっと、もっと、何か重大なことに巻き込まれる気がする。大事な選択が眼前に飛び込んでくる気がする。
そう思えてならないのだ。
けれど、それでもまだ学生と言うぬるま湯に漬かりたい。
「まぁ、私たちができることなんてクラッキングとかしかないし……精華さん待ちじゃない。それよりもう夏休みも後半だよ。早いね」
「あぁ、礼と出会って次はゆずきと出会って……休みって気が全然しないけどな」
「確かに、戦闘続きだったね。だからたまには背を伸ばしたいかも」
「確かに遊びたいですねぇ。そうだっ、海行きましょう!夏と言えば水着イベ……色々夢が膨らみますねぇ」
確かにどこかで遠出するのもいいだろう。今は八月初旬で、長期の外出はこの時しかないできない。九月になっては学校が始まってしまう。
夏休みの宿題など答えを写せば問題ない。
食卓で、今後の計画を立てている所に突如ピンポーンと来客の知らせ。
「……精華さんからの連絡はないぞ。なんか頼んだ?」
「エロゲ―を買ったけど……宅配物ってこんな朝早くに届くかな?」
よっこいしょと、入口に一番近くにいた礼が立ち上がり扉を開ける。
朝日と共に視界に飛び込んできた人物は精華や咲と言った見知った人物ではなく、学生服を着た女性であった。
汗で張り付いた髪に気を向けず、まるで祈るようにすがるように。
「どうか、行方不明になった妹を探して下さい」
と、頼み込んだ。
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