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パラサイト・エヴェレット parasite_Everett  作者: 野生のreruhuさん
本編:第2章 緋色たる烈火と紫水の彷徨へ
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62節 過激な趣向ですね……!?


 先に謝っておきます。ボリューム半分です!!

 前話でも言ってましたが、仕事と自由時間の両立が厳しくて地道に書いてはいたのですが間に合わないと判断し分割いたしました。

 本当であれば、次の章につなげる予定でしたがちょっと無理です!仕事から逃れきれませーん!!

 誰か、私に時間とお金をこの俺にクレェエエエ!!

 たぶん来週も同じようになるのでよろしくお願いします。



「ん……うごぉ。ぁ?」


 エアコンが聞いた室内で俺は目を覚ます。ゴーと冷風が額をなで静かに気象を促す。

 こんなに疲れているのに起きるときは起きるんだな……。

 近くに置いてあるであろうタオルに向けて腕を伸ばそうとしたとき、違和感に気が付いた。

 腕が動かないのだ。まるで重しが巻き付いているかのような感覚。体に異常が起きているのか?確かに入院から退院までの期間が短かったのは事実。

 俺は恐る恐る視線を下に向け。


「むふぅ」


 紫色の瞳と合った。

 瞼尾を大きく見開く自分自身の姿が揺れる瞳孔に反射して見える。そして、自然と目線は下の方へ。

 やはりエアコンがかかっているとは言え、夏場に抱き着くのは厚かったのだろう。布団は大きく退かされシミのない生娘の柔肌があらわになっている。

 腕を挟んでいるためか、見えちゃいけない部分は晒されてはいないが……これはっ!

 戸惑う俺の姿に気が付いたのか、あるいは想定していたのか。ゆずきはウインクをし。


「……夜伽、しますかぁ?」


 熱っぽい視線と共に魅惑してきたのだ。

 海斗も男。容姿的に優れ居ている美少女が発する甘い吐息。まるで、食虫植物のように獲物をからめとるように腕を伸ばす彼女を。


「どっせい!!」


 左腕と足ではじき出した。精華さんの所でアルバイトをする都合上、軽く鍛えられている。だから、約五十キログラムも女の子を蹴り退かすくらいはどうってことない。

 一応、お腹とかを蹴らないようには加減しつつ、退かした海斗は近くにあったタオルをベットから転げ落ちたであろう方向にぶん投げた。


「いたた、お尻が大きくなければ即死でしたよぉ」

「んなわけねぇだろ」


 骨粗鬆症(老人)じゃあるめぇし、うんな耐久力なら散弾の直撃を食らって立てれるかっ。

 彼女の裸体を見ないように視線を壁に逸らすが、よっこいしょと俺の腹の上に馬乗りになってきたのだ。


「やっぱりぃ、いろいろあったじゃないですかぁ」 

「現在進行形でな。過去形じゃないぞ」

「それで、一つ屋根の下でこう……ぎゅぎゅぎゅーと距離を縮めるには男女の営みが最適だと思うんですよ?」

「はあっ?ほかにも人(妹や礼)住んでるし、只快楽にもっていきたいだけだろ。てか、うちに子供を作って養う資金は無い!!」


 昨今、少子高齢化が騒がれている原因として、機械生命体による経済の不安定化や基本給の軽減……さらに教育費の増加に増税があげられる。

 まぁ、廃墟都市なんてもん放置してるわけだから資金難なのは言わずもがな。企業も年々減り、民間警備会社と言う肉壁が出てくるしまつ。

 そもそも、親が全員他界している実吹家において誰が通帳を握っているのか彼女は知らないらしい。毎年減ってくる額を見ると震えが止まらない。

 資本主義なのは彼女もわかっているようで……で、す、か、ら。


「首絞めてくれませんかっ!!」

「……は?」


 え?……え?

 その時、凍った。海斗の表情も部屋の温度もまるで時が止まったかのように止まったのだ。

 しかし、彼女はそんなことをお構いなしに、彼の両腕を自らの首に差出した。


「いきなりは抵抗があるのでわかりましたぁ。なのでお互いを知ることから始めましょう」

「うん、言ってること正しいけどどうやってつながるの」

「私、一回自殺をしようとしたことがあるんです。親の経営が悪化したりしたせいで家に帰っても学校でも安住の地がなくて……ここではないどこかに旅立とうと思ったんです」

「お、おう」

「楽になりたい。そう思って自宅にあった紐をもってトイレにこもったんです。ちょうどよくフックがありましたから。で、首に縄をかけて全体重をかけるじゃないですかぁ。その時にくる衝撃と息苦しさがだんだん快楽に変わってきましてぇ」

「ん?」

「それから、両親に隠れて首吊り行為に励むようになりました!」

「過激な趣向ですね……!?」


 つまり、あれか!?わしに首を絞めろというんじゃな。

 ――できるわけないだろ!!!


「てか、そんなこと知りたくなかったよ!!」


 お互いを知るで何でアブノーマルな性癖暴露してんだよ!

 意識が覚醒したてで思考が回っていない。そのため、動くのが遅れた。

 そのまま、彼女が密着してくる。女性特有の甘酸っぱいにおいが鼻孔を付き思考がとろけるように鈍重になって。


「あーにー、ごはっは?」


 ガチャリと特徴的な音と共に空気に夏特有の暑さがまとわりついてくる。視線をそちら側に向ければ、ドアを開けたままの体制で硬直する我が妹。

 その後ろには目を丸くする礼の姿が。


「……昨晩はお楽しみでしたね」

「……マスタぁあ”?」

「まてまてまてまて誤解やってっ!!」



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