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パラサイト・エヴェレット parasite_Everett  作者: 野生のreruhuさん
本編:第2章 緋色たる烈火と紫水の彷徨へ
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21節 赤く染まる積雪の大地

 別にお盆が終わったからと言って一週間で投稿しても構わぬのだろう?


 小説って何時に投稿したらいいんですかね?

 ランキング作品のアクセス数を見ると7、12、15、19時が多い傾向があるみたいですけど。

 え、他人が書いた小説のアクセス数が何でわかるのかって?

 意外と知られていない機能なんですが、実は小説情報をクリックして下にスクロールするとQRコードの下にアクセス解析と言うページがあるんですよね。

 そこを押すとあら不思議。他作品のアクセス数が視れるというわけです。

 以上為になる?豆知識でした!

 あ、ちょうどこの小説で試してみてもいいんですよ……?


「ホントに帰っちゃたね」

「あぁ」


 俺たちを玄関に置いて行った後、すぐに精華さんはUカーブをし来た道を帰っていった。

 忙しいんだろと肩を揺らす。

 しっかし、久しぶりの我が家は一体どうなっているのだろうか?

 基本、家事全般は俺が行っていた。舞も出来なくはないが雑だし部屋に引きこもってばかりだから、すぐに息を切らす。

 近くのゴミ捨て場に往復するだけで体力を使い果たし、ソファーで小一時間ほど寝転ぶ始末。

 掃除でも頑張るか。そう思いながら鍵を開け取っ手を引く。

 たった三日、されど懐かしきこの風情ふぜい

 さぁてどれくらい溜まっているかな?照明を消した暗い室内に目が慣れていきリビングの面影おもかげが現れる。


「あれ?」

「ふっふーん」


 出迎えたのは、机の上に散らかった保存食に清涼飲料ではなく綺麗に整理整頓された居間だった。

 後ろを視れば胸に腰を当て大きく胸を突き出し、自慢するかのように綻ばせる妹。その後ろに、何言ってんだこいつと睨みつける礼。


「いて、ぶったなぁ!こんな可愛い妹に手を出すなんて鬼畜、悪魔」

「虚偽報告はしちゃダメだろ……。礼がやったんだろ?凄いな」

「マスター。僕だってマスターが入院している間、喜ばせようと頑張っていたんだからね」

「偉いね。なでなで」

「あうあうあう。にへへ」


 何と言うか癒される。これがアニマルセラピーと言う奴か。

 礼の頭を撫でまわす。すべすべとふっくらした髪の毛を撫でられる様子を視て、小学校の頃にいたウサギを思い出す。

 やっぱり色んなことがあったからストレスを知らず内に溜めてしまっていたのだろう。

 これは、最近の社会人はペット買いますわ。


「いつまでやってんだよ兄。玄関で立ち止まってる暇があったらとっと入る!」

「そうだな、暑いし早く寒気が聞いた家に入ろう」


 確かに今はお昼をちょっと過ぎた時間。ちょうど気温が最高温度ピークを迎える時だ。

 ちょっとで歩こうもんなら汗が滝のようにあふれてくる。

 妹の言う事に同意しながら帰宅した。


「ふぅ、涼しい。礼ちゃん!冷たいエナドリを」

「はい」

「パシりしてんじゃねぇよ……」


 そう話ながら投げ渡されたエナジードリンクを受け取る。

 ふぅと息を吐きながら飲み物を飲む。

 甘酸っぱい液体を喉に流し込み立ち上がる


「ごめんお風呂入っていいか?病院だとシャワーしかなくてな」

「ん。いいよー、私は自分の部屋でゲームしてるから」

「おっけ」


 イスから立ち上がり脱衣所に向かう。

 三日ぶりに浴槽に入って足を延ばすかと思いながら衣服を脱いでいく。

 そう言えば一人で入るのは久しぶりだ。

 なんやかんやでずっと礼|(5しゃい)の体を洗っていたからな。妹にやってくれと頼みこんでも、役得じゃんで済まされる。

 これでも思春期男子なんですがね。

 そう思いながら風呂場に入る。

 因みに俺は湯船に入る前に頭と体を洗う派だ。と言うか湯を張って数分だから湯船にはまだ溜まっていないし。

 幸い洗剤は満杯に入っている。詰め替える必要はなさそうだ。

 そうして蛇口を捻ろうと腕を伸ばした時、ガチャンとドアが開く音が背後から。

 そう言えば着替えとバスタオルを用意していなかった。妹が持ってきてくれたのだろうか?

 いくら家族でも特に礼には見られる体制がない。それに場所がわからないだろうしな。

 ともかく感謝の言葉を出すために口を開いた。


「着替え持ってきてくれたのか?ありがとう」

「うん。ついでに僕が洗うの手伝ってあげるよ?」

「っ」

「筋力では勝つ自信しかないね」


 声が違う。そう判断し扉を閉めようとするがもう遅い。

 振り返ればタオルで隠しもせず、滑らかな裸とメロンのようにたわわに実った大きな胸が眼前に差し出されていた。

 そしてその乳房を支えるものがないため、少しの振動でも揺れるのである。

 因みに病院に居る間、礼と一緒に入浴していた妹は後にこの言葉を残している。

 ――ゲームで胸がすごく揺れる奴あるじゃん?あれを現実で拝める日が来るとは思って居なかったね。

 まぁ、実際は戦闘中に着ていたあの闇堕ちスーツも支えていないので揺れていたのだが、生きるか死ぬかの間だったので視界に入っていなかったりする。

 海斗はやや頬を染めながら一生懸命折り戸を閉めようと力を籠めるが、ドアは瞬快接着剤で固定されたかのように動かなく、ミシミシと軋むだけであった。


「あ、あも。あの何をやってるんです礼さん!?」

「何って手伝いに来ただけだよ?今までずぅぅっと一緒に居られなかったから寂しかったんだぁ。それに見たよ、泡を胸に付けてこれを使ってご主人の体を洗えばいいんだよね」

「何を観てんだよ!」

「巨乳の胸でズルの男性なら」

「やめろぉお」

「いや、僕はやめない、よっ!」


 何とか襲い掛かるのを話し合いでその知識は間違っている事だと暫く説き、何とか行為を辞めさせた。

 現在はお互い体を洗い終わり湯につかりながら見合う状態である。

 一方的に礼が話しかけそれの返答に海斗が相槌を放つという状況だ。

 俺は女性が好む話題を知らないし何を言ったら彼女が喜ぶのかはわからない。だから、ここは下手に話しかけずに居ようと言うわけだ。

 因みに胸で男性の体を洗うと喜ぶと、そんな知識どうやって手に入れたのかは聞かれてもいないのに勝手に喋ってくれた。

 いわく、妹の部屋を片付けていた時にDVDを発見しそれを視聴したようだった。

 確かに家に入る前に彼女自身が家事をやっていたと申告していた。

 契約したおかげか礼の知性が格段に上がっていたと思ったが、やっぱり羞恥心は欠けていたのか。

 いや違うか。会話をしている最中に俺の視界内に谷間を押さえ様とちょくちょく魅惑してきていて、逆にそれに乗ってガン見しようものなら顔を赤らめながらも唇が綻んでいる礼の姿。

 ワザとやっているな……。

 故に胸の上に根づいているクリスタルにも自然に目が移る。


「あれ、そのクリスタルってそんな鮮やかな色だったけ?」


 確か一番初めに出会った頃は黒い宝石に赤いラインが奔っており、その中心に赤い眼球のようなものがあったが、今では赤い線がより濃く輝いているように見える。

 

「あ、うん。契約した影響かな。けど、体調が悪いとかそんなのじゃないから。逆に力が湧き出てくるよ」

「ならいいんだが」


 本人が知らぬ間にも事は先に進む。

 見えないモノでも視えるものでも。




「お、どうだった?いやぁ、あのご奉仕方法を教えたのは私でさ。どうだったぱいずっ。ヒギャダン!?」

「知るか」

「ぅっくぅ。ぶ、ぶったな。可愛い妹をぶったな、この野郎!私が折角癒しになると思ってやったて言うのに」


 柔らかかったのは認めるがそれ以上に精神的に疲れた。

 やや上せた頭を切り替えるために冷たい水を飲みながら何気なくテレビをつける。


『現在のロシア情勢は複雑怪奇となっております。現場のアナウンサー』

『はい。私は首都モスクワにある赤の広場前に来ております。ご覧くださいあのデモの規模を!車道を埋め尽くすほどの、ヒト!ヒト!ヒト!』

「あぁ、確か共産主義コミンテルンのデモでしょ。最近連日やってるね」

「テレビみてないからなぁ。精華さんが言ってた時は、まだ民衆には情報が出回っていなかったはずだろ?」

「マスターが寝てた時に色々あったみたい。精華ちゃんが言うには三日前の日にロシアが干渉してたらしいから」


 近年ロシアでは強いロシアを作り上げるとスローガンを掲げ活動してきた。

 そのためスターリンの評価が改めた評価をされたり、軍事費を大きくしたりなど精力的に活動してきたが、それでも共産主義に転換することは無かった。

 それは資金が足りなくなるからだ。

 ただでさえ一度ロシアは通貨危機が起き崩壊しかけたことがあった。その際立て直したのが現在の大統領。

 そしてまだ、傷跡は癒えておらず現在でも国内生産数(GDP)は十二位。

 アメリカと肩を並べる大国と称されることが多いが実際は十二分の一しかない。

 ここまで説明してきたが何故経済を停滞させるような主義思想が国民から出てしまったのだろうか?

 それは単純明快で失業者の増加である。

 あまり知られていないが実は資源国なのである。天然資源を採掘し穀物を収穫、輸出する。

 しかし、ここで現れるのが機械生命体。

 なんと資源穀物地帯を戦闘で焦土化してしまったのだ。

 これにより農家と企業が大混乱。失業率は十パーセントを超えた。


「富めるものは庶民には目を向かず……か」

「資本主義の抜本的問題だね。共産主義なら給料変わらないしって事。今じゃ裕福層は周辺国に退避してるって噂だよ」


 退避ね。仕事の付き添いで来日したという朝に出会った赤毛の少女も避難してきたのだろうか?


「まぁ、他者を心配するより自分の事。ともかく、兄は暫く激しい運動とかしない事!」

「そうだな」


 テレビの電源を消して目を瞑った。

 いつの間にか寝ていたようだ。やはりどこかしら糸が張っていたのだろう、いつの間にか時刻は午後六時を過ぎていた。

 ご飯の準備をしなければと立ち上がろうとした時に、香ばしい臭いが鼻孔をくすぐる。

 立ち上がり視線をキッチンに向ければ礼がエプロンを付け調理をしていた。


「マスター起きたんだ」

「おはよ」

「ねぇ。褒めて。僕がんばって作ったんだよ」


 隣に駆け寄り視線を下げればほぼ完成済みな料理。

 ふっくらと炊けたご飯に美味しそうなチキン南蛮、そして味噌汁。

 外見に不備は見られず嗅覚も正常を示している。

 自分が教えた記憶もないし、彼女が料理を率先して覚えたって事だろう。

 ギシと階段が軋む音に反応し振り返れば、平均より少し大きめな胸を揺らしながらタンクトップ姿の妹が下りてきていた。


「あ、起きたんだ。おはよ」

「おはよ。相変わらず家では下着付けてないのか?」

「そりゃ何度も話したけど付けると息苦しいんだ、それに私の胸はそんな簡単に形が崩れないし。あ、料理……そっか礼が作ったんだ。そう言えば食べるのって初めてだったね。美味しいから期待して待ってていいと思うよ」

「もう出来てると思うけど……」


 視線をテーブルの上に向ければ既に料理が陳列され、箸なども用意されていた。


「とにかくお腹が減ったし食べるか」

「だね」

「「「いただきます」」」


 おかずと白米を一緒にほうばる。


「どうですか。僕いぃっぱい練習したんですから。」

「美味しい。普通に食える!」

「礼は返ってくる前、すごく練習してたんだから『お嫁さんになれるくらい』って。流石に同じ女性だけどあの勢いはちょっと引いたわー」

「作ってもらってその態度かよ……」


 騒がしく楽しい食卓。時間はあっという間に過ぎていった。


 本当はこの話で、咲とゆずきちゃんを主人公と合わせる予定でしたが時間的にちょっと無理なので次回と言う事で。

 因みに咲と海斗は出会ったことありません。(主人公の事は精華の友達なので聞いたことがあるくらい。海斗も咲の事は聞いたことありますが、警察は忙しいだろうと顔を合わせていません)

 じゃあゆずきは初対面じゃないじゃん?と思うかもしれませんが一応、戦闘の際対面しましたが顔は寄生体により視えていませんし、体格も髪の色も第一印象も変化しているので海斗からしては三日前の寄生体と結びつけられないため(海斗にとっても変化したゆずきにとっても)初対面であってます。


 あと、寄生体の胸に付いているクリスタルは、実在する宝石または水晶を参考にしているのですが礼だけは架空の宝石がもとになっております。

 何ででしょうかねぇ。



次回予告

 駅に足を運ぶ少年少女たち三人。

 貰った保証代を握りしめ各々が買い物で往来するなか、女の子が海斗の背に声を掛ける。

 振り向けば、鮮やかな髪をサイドテールで束ね学生服を着用した少女。

 彼女……大由里ゆずき曰く、ゲームが上達したいから声を掛けただとか。

 押し切られ無理やり話を聞かされる海斗。胸が磁石のように惹かれる感覚を覚えながらも彼女の言葉に耳を傾ける。

 紫色の瞳妖艶な光が灯っているのを知らずに。


次回、紫水晶の瞳




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