表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パラサイト・エヴェレット parasite_Everett  作者: 野生のreruhuさん
本編:第4章 不毛に響く白鳥の歌
138/150

133節 帰宅した際の三言葉

 え?本文が少ない?

 パルワールドやってたわけではないよ!!

 ホントだって!!

 ……。

 目を点にし、俺達は目の前に居る少女を上から下へ観察する。

 ぬ?っと首を少し傾げて交差するぱっちりとしたピンク色に瞳にふっくらとした唇。腰まで伸びた白髪すらりとした手足に、細いながらも豊満でピアスによって装飾されたボディーを見せつけ全裸に……いや、正確には白いシースルー(透けるほど薄い布)の付け襟を付けているので完璧全裸と言う訳ではないのだが、全裸の美少女が居た。

 沈黙に静寂。精神的な疲れと天高く突き刺してくる太陽光によって蕩けた海斗たちは、完全に油切れのブリキのように固まってしまう。

 ゴーとエアコンの音が悲しく響き「あぁ」と一指し指で唇をなぞり左手で胸を上げたのち、くるっと回り前傾姿勢。


「お風呂にする、ご飯にする、それともぉ……わ・た・しぃ?」

「いや、何でお前居るねん!」


 反射的に関西弁で突っ込んだ海斗は、眼前に居る少女……女の子に肉体改造とか洗脳とか施した元科学者性転換少女である茉莉が全裸である事を認識し、開けっ放しの玄関(ドア)を閉めた。


「つまり、元々売春用の体に無理やり二重で寄生した結果、唯一マナを供給できる兄への依存度も二乗化。そして、発情も二乗……二乗って単語多いなぁ。とにかく、乱れて体液を決壊したダムのようになって余りにも対処が出来ないからこっちに投げたと」

「そう、自分がそう作ったとは言えめちゃくちゃ発情してるんだ私。君たちが帰ってくるまで致してたくらいだよ」

「ぅえぇ……?なんか床がテカってると思ったら、全部下半身から分泌された液体なのかよ!あの聖人の精華さんが天を仰いで投げてくるって、備品とか汚しまくったんだろうなぁ」


 民間警備会社は、基本的には男性が主に所属している事が多い。

 身体能力的には、男女共に機械生命体が出現する9年前から比べ平均3割伸びているので女性が肉体労働をする事も余裕で可能ではあるのだが……やはりと言うか日本には固定概念的にそう言った職に彼女たちが進んでつくことは少ない。

 石竹民間警備会社も社長が女性であったり地域との交流のお陰でPMCの悪評は無く忌避もないが、それでも比率としては7対3と男性が多いのだ。

 そんな中で発情した美少女が、人目を憚らずド派手に自慰行為に没頭していると聞いて風紀が乱れないと思いですか!


 そもそも、動物本能である種の保存……性欲が高まりやすい命とのやり取りを率先して行う傭兵に対して彼女は、明らかに眼に毒。暗闇でのフラッシュバン。

 故に、人として尊厳が破壊される前に考えて(やけくそで)ぶん投げたのである。


 何で疲れてるのに床掃除とかしないと行けないんですかね?とか、何で自分の家のようにくつろいでるんだとか思っているうちに、めんどくさくて思考を放棄しずかずかと家に上がって冷蔵庫にあるエナジードリンクをいっきに飲み干す海斗であった。


「げぷ、それで?お前、俺達に信用されていないってわかって来てるよな」

「もちろん。ただ、君の疑念と危機感を一気に解く方法がある……私と契約しないかい?」

「契約ぅ?僕のマスターに手を出そうってわけ?」

「それが一番じゃないかい?お互いの体細胞を交換しマナのつながりを作る……そうすれば裏切らないし裏切れない。御子は私達(寄生体)にとって酸素ボンベみたいなものだからね。で、どうする?キスでもするかい」


 確かに、契約をすることで軛となり彼女が裏切る事はないだろう。

 だが、身体は女性だからと言って……本人も乗り気であるが元男と接吻をするのはいかがなものだろうか。

 瞼を閉じ、うーんと悩んでいれば頬を撫でるような感覚が。

 目を開ければ、眼前に茉莉の姿が。視線が交差し、美しいピンク色の瞳に吸い込まれるように目線が動き。


「んっ」


 唇が唇で塞がれた。

 ゆっくりと味わうようにふれあい、自然と後退する海斗を優しく引き留める。

 礼やゆずきも明らかに荒んだ目つきをしているが、理性的な面でこれが一番手っ取り早く確実である事が分かっているので口出しはしなかった。

 それを横目で見て、にやり……隙間を作り強引に舌を入れ込んだ。

 舌と舌が絡み合い、濃密に唾液が交換される。


「ななな」

「――っ。こいつぅ」

「おほー」


 白く美しい少女が頬を赤く染め、熱っぽい息を吐きながら必死に強請る姿はもはや恋する乙女だ。緊張からか歓喜故か、太ももを伝い床に流れる液体を感じながら確かに元マッドサイエンティストは女性としての喜びを噛みしめていたのである。

 長く、正確には数秒で行われたディープキスはしっかりと契約として築かれた。

 まるで、惜しむように唾液で作られた橋がゆっくりと切れていき。


「改めて自己紹介を……タナトス改め戸鞠茉莉(とまり まり)と言う。君の事を愛し嫁である綺麗なお姉さんさ!マリーでもマーリンでも好きな風に読んでくれたまえ……末永く、よろしく頼むよ?」


 ブックマークは新着小説で投稿されたのがわかりますし、ポイントは作者のやる気にもなります。

 また、ご意見ご感想も受け付けていますよ!

 ブックマークは上部に、ポイントはお話を読み終わり『<< 前へ次へ >>目次』の下に入力案がありますよ!

 作者の励みになりますので、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ