表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名もなき異世界奇譚  作者: Section chief
3章 錬金国家アルケミー
81/565

3章 錬金国家アルケミー30 -16日目・ギルドマスターの覚悟-

ー午後1時東門ー



回復薬(ポーション)の購入は無駄だったようだ。俺たち以外の冒険者は誰も来なかった。



「こんな事なら、条件を満たしてる奴全員を強制参加にすべきだった…」



ギルドマスターは頭を抱えた。むしろ想定してなかったのかよ、って俺は思った。仕方がない。この街に被害を出さずに護ろうとしたら、取るべき行動はひとつだけだ。



「更地に変えていいんだったら俺1人で行くけど?」

「なんかお前さんなら可能な気がするから、一応言っておく。俺が後で姫様から怒られるからそれは勘弁してくれ」


「…策はあるのか?」

「策はあったがこの人数じゃそれも無理だ。…お前達はここに残ってこの門を出ようとする奴を4人ほど止めてくれ」

「まさか…」

「…ああ、そのまさかだ」



ギルドマスターはいつになく真剣な表情だった。



「そんなの無茶よ。それだったらこいつが辺り一帯を更地にして、怒られた方がいいわ」

「嬢ちゃん、これは俺なりの責任の取り方だ。それに俺もこいつと同じく能力の都合上、1人の方が全力を出せる。無理にでも出ようとする奴がいたら、死なない程度に…」



ルーシェの言う事もごもっともだが、ギルドマスターなりの責任の取り方なのだろう。だから彼の意思を尊重する事にした。



俺は「承知した」と言うと、ルーシェが俺を引っ叩いた。そして涙を流しながら彼女は言った。



「あんたなら、無理にでも止めると思ったのに。あんたを倒してでもわた…」



ここで彼女は眠りについた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

追加能力(スキル)

耐性(レジスタン)貫通(ス・スルー)(魔)((M))【魔法耐性を無視できる】

魔法耐性を無視してダメージを与えられるようになる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「悪いなルーシェ…」

「仲間にも容赦が無いとはな」

「早く行った方がいいんじゃないか?」

「そうだな…。行くとしよう」

「戻ってきて能力の秘密を教えてくれよ。ギルドマスター」



ギルドマスターは、後ろを振り向かず手を高く上げサムズアップをした。

そして一瞬で消えた。



「そんで、他の4人はどうする?」



後ろにいる仲間たちの方を向き、俺は聞いた。彼らもルーシェと同じように思っているだろう。だから、どう行動するか次第ではこいつらも眠らさなきゃならない。



「俺はお前の命令に従う」

「私は貴方様に命を預けた身。貴方様の判断に従います」

「俺たちは、お前のおかげで今がある。従うしかないだろ?」

「そもそも闘っても勝てないしな…」



とりあえず眠らせなくて良さそうだ。

俺を除くと、今から来る人達を相手にできるのはクジャク姉ぐらいだろう。センティーレの護衛をしてなければの話だが…。

そう考えてると、俺達の目の前に人影が現れた。



「さて、足止めしなきゃいけない人達が来たぞ。それじゃ、クジャク姉は護衛しながら、2人は自分の身を全力で護れ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ