3章 錬金国家アルケミー29 -16日目・馬と鹿のキマイラ-
ーギルドマスターの執務室ー
今この場には俺とモーブとおっさんがいる。
「街の外、特に東側の様子をみて欲しい。さっき依頼にきた商人から夥しい数の魔物の群れを見た、ってのを聞いてな…」
状態確認で街の外を見た。赤い点だらけだな。どんな敵がいるのか気になったので詳細を見てみた。
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ルーフ
合成生物種。鹿と馬の特徴を持った魔物。
Dランク冒険者が複数人で倒せるか倒せないかぐらいの強さを誇る。
あまり知られていないが、知能が低いので罠を貼ると比較的簡単に倒せる。
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「ルーフって魔物が大量にいるな。しかもゆっくりとこっちに向かってきてるみたいだ」
「数を把握できるか?」
「1063匹。数を数える能力も一緒に使ったから間違いはないぞ」
おっさんは少し考えてからモーブに言った。
「直ぐに城へ行き、騎士団を動かすように伝えてくれ」
「承知しました。ギルドマスター」
「騎士団が動くっても数時間はかかるだろ?多分距離的に街に侵入されるぞ?」
「その為の冒険者ギルドだ」
数分後、依頼掲示板にクエストが貼られた。
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緊急依頼・ルーフの討伐
依頼主:冒険者ギルド
報酬:基本報酬金貨1枚+α、達成回数2回分
参加条件:Cランク以上 (に匹敵するものなら可)かつ4人以上のパーティーを組んで闘える者
街にルーフの群れが向かって来ている。王国騎士団が到着するまで討伐し続けてくれ。
参加したい者は午後1時に東門集合!
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『に匹敵するものなら可』ってなんだよ、と思ったが、冒険者が少ないという事情と、街を護るために戦力の出し惜しみはしてないですよという対外的なアピールだそうだ。
それに敵の数を考えたら、戦力はいくらあっても足りないぐらいだしな。
「俺たちもパーティーとして参加するぞ。この依頼は、依頼達成回数2回分の依頼だからな」
「そのルーフって魔物はどんな特徴があるんだ?」
俺はルーフの説明をした。
「まぁ今回は罠を貼ってる時間はないから、俺とルーシェがメインで闘う。あとセンティーレが目を覚ましたようだ。クジャク姉と今こっちに向かってきてる」
2人は俺たちの元へ到着し合流した。
「私も連れて言って下さい」
「はっきり言うわ。あんたが来ても足手纏いよ」
「それは承知しています。ですが…」
「わかりました。クジャク姉は戦闘に参加しないで彼女の護衛に徹してくれ」
「承知した」
クジャク姉はヤレヤレという表情をしていた。ルーシェとセンティーレの関係を理解しているように見えた。
「宿に置いておくよりマシだろ?」
「それはそうだけど…」
「各自時間までに準備して、5分前までに東門集合な」
俺はそう言ってギルドをあとにした。
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回復薬の補充を行った。俺たち以外に参加する冒険者がいたら、死なないように気を使いながら戦う気でいたからだ。まぁ、やる事は死にかけてる奴がいたら近くに道具空間を開いて、回復薬をかけるだけだが…。
回復薬を購入した後すぐに、集合場所へと向かった。
少し余裕を持たせて到着するように心掛けていたので、10分前に着くようにしたが、パーティーメンバーは全員すでにいた。
「遅いわよ!」
「集合時間の5分前に着いたのに、理不尽じゃね?」
状態確認で現在時刻を確認したが、やはり間に合っている。
「それにしても他のパーティーが見当たらないな…」
「そうですね。冒険者って国の為に戦ったりしないんですか?」
センティーレが俺に質問をしてきた。
「時と場合によるんじゃないでしょうか。まぁ自分の命が一番大切なわけですし」
「そうですよね…」
センティーレは悲しそう表情を浮かべた。




