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名もなき異世界奇譚  作者: Section chief
3章 錬金国家アルケミー
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3章 錬金国家アルケミー27 -16日目・残る依頼はあと2つ-

俺たちは朝食を食べ終え、冒険者ギルドの依頼掲示板の前にいる。



「クジャクさんがいない状態で、残り三つの依頼の達成はできるのか?」

「それは俺も思った。センティーレさんだけ留守番ってのは駄目なのか?」



ワカとシュンペイの言う事も分かるが、彼女を一人にする訳にはいかない。俺が理由を言う前に、ルーシェが怒りながら言った。



「駄目に決まってるじゃない!ここに来て初めて宿に泊まった日、私は1人の時に冒険者に襲われたわ。この街で一番治安が悪い場所に1人置き去りなんて酷い事できないわ。だからこいつもクジャクに一緒にいるよう命じたんじゃないかしら?」

「まぁそうだけど、少し言い過ぎ…でもないか」



この街の治安はかなり良い。

そんな街のこの宿は、女性が泊まると必ずと言っていいほど襲われている。まぁ、大体は返討ちにあって、冒険者ギルドから登録抹消(ペナルティー)があり、犯罪奴隷として身を落としてるんだけど。



「言い忘れてたけど、昨日のうちに薬草の納品は終わらせておいた。だから残る依頼は2つだ。報酬の方はパーティー全員が揃ってから渡す」

「薬草の採取をいつしたんだ?」

「そんな時間は無かったはず…」



薬草の納品依頼は、現物があれば直ぐに達成できる依頼だからな。

帰り道、(ゴーレム)の中から状態確認(ステータス)で薬草の場所を把握、見えない手で採取し、道具空間()にしまっていた。



「こいつのやる事をいちいち気にしたら負けよ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


昼になっても、パーティー用の依頼は貼られなかった。



「今日は諦めた方が良さそうね」



予定が詰まってしまうが、仕方がない。



「ここで待ってても仕方ないな。今日は各自トレーニン…」



と言いかけた時、おっさんが俺達の方に来て俺に向かって言った。



「ちょっといいか?」

「なんか用か?」

「お前さんだけ、ギルドマスター室へ来てくれ」


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