1章 ジャポネーグ国6 -呟くと…-
目が覚めると日本式の城の部屋にいた。
どうやら俺は、自分の部屋に運ばれたようだな…
「気がついたか」
「クジャク姉、心配をかけた」
クジャク姉は今にも泣きそうだった。
頭痛で気を失った後の事を、クジャク姉から聞いた。
あの後、山に何かが落ちるのを見た人が国主である父に報告し、何かが落ちた場所に案内していた所、叫び声が聞こえたそうだ。叫び声が聞こえた場所に向かったら俺たちがいて、すぐに救出されたらしい。それと、あの日から3日たっていることも聞いた。
「少し1人にして欲しい」
「わかった…。外に出ようとするなよ。一応見張るように言われてるからな」
「わかってるって」
無茶して自分の身に何があったのかを、探りに行こうとすると思ったこの世界の父が、そう命じたのだろう。
彼女が部屋を出て、ふすまを閉めたところで
『状態確認』
と心の中で唱えた。
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花鳥 凉
Level10 状態:普通
体力:100/100
魔力:0/0
攻撃力:60
防御力:60
素早さ:90
精神力:200
能力
・analisi impossibile【analisi impossibile】Level:Max
・状態確認【能力・状態を確認する】Level:1
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とりあえず今置かれてる状況を整理しよう。
俺は花鳥 凉。この世界に無理矢理転生させられた。自分の故郷に似たような文化を持つこの国は、《ジャポネーグ》という名の島国で、俺はこの国の国主の7男として転生した。
突然RPGのステータス画面のようなものが見えるようになり、自分の前世での名を見た時気絶し、目がさめると記憶を取り戻した。
花鳥凉のルビが『セッテ・ネコヤナギ』になっている理由は今の所分からない。
あの自称神の目的を探らないと何かやばい気がする。動けるようになってから、この島を出る準備をしよう。
とりあえず今はやる事もないので、ステータス画面を見ることにした。
改めてステータス画面を見直すと、魔力の低さと精神力が異常に高い事に目がいく。
昔よくやったRPGだと魔力0だと魔法が使えない。魔法がある世界において、これは致命的だな…。もともと魔法のない世界の人間だったこと、魔力を必要としない剣術や武術を主体にして訓練しているとはいえ、ショックは大きい。
精神力の異常な高さは、前世の職………思い出すのはやめよう。悲しくなるから。
今持っている能力は二つ。よく分からない能力と、能力や状態を確認する能力だ。
そういえば一つ目の能力は、クジャク姉も同じ事が書かれてたな。彼女も同じ能力を持っているのだろうか?
「この言語が理解できればな…」と呟いた。
それからもう一度ステータスを見直すと…
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花鳥 凉
Level10 状態:普通
体力:100/100
魔力:0/0
攻撃力:60
防御力:60
素早さ:90
精神力:200
能力
・分析不可能【分析不可能】Level:Max
・状態確認【能力・状態を確認する】Level:2
・自動翻訳【自分の知る言語に自動翻訳する】Level:Max
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【状態確認】のLevelが上がっていた。いやそれよりも気になる事がある。
『自動翻訳【自分の知る言語に自動翻訳する】Level:Max』って能力が増えている。
能力が増えた事で《analisi impossibile》ってのが《分析不可能》だという事がわかった。
何故能力が増えたのかを考える事にした。