3章 錬金国家アルケミー17 -14日目・友との再会-
椅子に座って面白そうな人材がいないか、状態確認で冒険者を観察していると、ギルドマスターが俺のところに来た。
「ちょっといいか?」
「何のようだ?おっさん」
「ギルドマスターと呼べ」
「そんで?」
「通訳をして欲しい。お前があの姉ちゃんと話していた言葉に近い気がしてな」
「報酬は?」
冒険者ならタダで働くな。おっさんが教えてくれた事である。
「お前さん、しっかりしてるな。俺の教育の賜物か。そうだな銅貨15枚でどうだ?」
「引き受けよう」
受付からおっさんは、見た目17、8ぐらいの男2人を連れて来た。俺はこの2人に見覚えがあった。前世の友人である。
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鶯谷俊平
Level20 状態:普通
体力:350/350
魔力:289/289
攻撃力:223
防御力:196
素早さ:150
精神力:140
能力:英雄【超人になれる】Level:4
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牛若 九郎
Level19 状態:普通
体力:259/259
魔力:380/380
攻撃力:167
防御力:152
素早さ:210
精神力:136
能力:常人ならざる資質【人を操る事が出来る】Level:5
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2人とも中々良い能力を持ってるな。
「こいつら、クエストを受けたはいいが失敗続きで、とうとう違約金が払えくなった。このままだと、奴隷になるしかないという事を伝えてくれ」
「了解した」
このやり取りの後、おっさんは受付へ戻って行った。
「俺の名前は、セッテ・ネコヤナギ。俺の事はセッテと呼んでくれ」
俺はそう言い終わると2人を椅子に座らせた。2人は話の通じる人間がいて安心したようだ。
「率直に言うと、受付にいるおっさんが言うには、違約金が払えないと奴隷になるしかないって話だ」
二人は動揺していた。
「装備や今持っている道具を全部売れば、どうにか…いや無理だな。全部売ったら、この先やってけないな」
「目が覚めたら知らない場所にいて、こんな生活を強いらるし、それで奴隷になるとか、マジ最悪だわー」
2人はかなり絶望していた。
「そんな2人に提案何だけど、俺のパーティーに入らない?」
「「はぁ?」」
2人とも突然のパーティー勧誘に困惑していた。
「いや、今日初めて知り合った人とパーティーを組むってのはちょっと…」
「何かあんじゃね?って普通疑うだろ…」
まぁ確かにな。だから正直に話す事にした。
「数日後に、5人パーティーで参加する冒険者ギルドの大会があって、それに俺のパーティーは出場する。今俺のパーティーは俺を含めて3人なんだ。あと2人探してるところだ」
「なるほどな」
「その大会に参加する代わりに、俺たちの違約金を肩代わりしてくれる、って事だな。それはいいけど、大会が終わったあと、俺たちはどうなるんだ?」
「好きにしたらいい」
2人は急に笑い始めた。
「どうして笑ってるんだ?」
「セッテと話してると、俺達の元いた世界で亡くなった…正確には失踪した友人の事を思い出してな」
「お前もそう思ったかー。懐かしいな…」
この2人が言っているのは俺の事で間違いないだろう。確か元いた世界で失踪して7年経つと法律上、死亡した扱いになったはず。
俺はこの地に生まれてから15年経ってるから、当然か…。
「案外こっちの世界にいたりしてな」
「もしかして、セッテも俺たちがいた世界から来たのか?」
「…いや、生まれも育ちもこっちの世界だ」
俺はこの2人に正体を明かす気はない。
神やエランジェルイト国について調べるのが危険である以上、2人を巻き込みたくないからな。
俺が正体を明かせばこの2人は協力を申し出るだろう。それだけは避けなければならない。そんな事を考えていると
「なぁ、こいつの誘い受けてみないか?」
「そうだな。それが良さそうだしな」
と2人が言った。
「不当に扱わない事を保証しよう。ちょっと待っててくれ」
俺はそう言い、受付へ行き、ギルドマスターに言った。
「おっさん、とりあえずこいつらが払わなきゃならない違約金の額を教えてくれ」
「ギルドマスターと呼べ。銅貨30枚だ。まぁお前さんの事だ、話が長いし何かしら取引したんだろ?」
「まぁ、そんなところだ」
この2人を俺のパーティーに加え大会に参加する事を、おっさんに話した。
おっさんは一言こう言った。
「…そうきたか」




