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8章 錬金国家の貴族128-ハロルドは運が良かった-
「男爵、2つ確認しておきたい事がある」
「何でしょうか?」
「もしハロルドが神父と遭遇したていたらどうなっていた?」
「唆されて敵に回っていたか、唆されず殺されていたか、どちらにせよ、私に接触してこなかったから国は崩壊していたと思います」
ハロルドの場合、唆されたか唆されなかったか正直分からない。どちらにせよ神父に接触した時点で彼は死が確定していた。(唆されて敵に回った場合、辺境伯が間違いなく切り殺していただろうと思う)
ラットーには申し訳ないが、唆されたのが彼でよかったと言っておく。
「それでも、男爵がどうにかしていたと思うが?」
「その話は一旦おいといて、もう一つは?」
「もう一つはアズモディア国にいれば今の所は安全なのだな」
「おそらくは…」




