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8章 錬金国家の貴族123-さてどうするのが良いのやら-
「お前さんが命令に背いて行動するのは折り込み済みだ」
「トワノよ。これでは妾が悪者になるではないか。あれは貴族達が自分の家の不始末に対してのケジメをつける為に勝手に言った事じゃ。お主からも男爵に説明するのじゃ」
「貴族達が『謀反を起こした息子を討ち取るので、我らの首と首謀者らの首で家をお守りください』と言ってきてな。こちらも仕方なく了承するしかなかった」
「そなたは最善を尽くした。だが命令違反は罰さなければならぬ」
「分かりました…」
共同統治者様がいるこの場からは逃げられない。速度は相手の方が速いし、闘ってもまだ勝てないからな。まぁそもそも闘う必要もないが。
「謀反を起こした錬金国家貴族家の子息の身柄を其方が預かれ」
「どのようにすれば良いのですか?」
「任せる」
「辺境伯様は了承なさったのですか?」
辺境伯は笑顔でサムズアップしてきた。このおっさんも俺がやる事をある程度読んでいたようだ。




