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8章 錬金国家の貴族102 -早い対応-
反乱の最初はハロルドが宣戦布告をする。その数日後、数千の兵を率いて城を奇襲する所から始まる手筈になっている。
ハロルドは最初から反乱の意思がないので兵を集めていない。
本当は前回侵入した時に女王陛下に真実を伝えたかったそうだが、思った以上に見張りが多かった為、諦めたそうだ。
(俺が真実を伝えようとした事を聞いたのはついさっきだ。知っていれば見張りを全員どうにかした)
屋敷を出発する前に、モーブと辺境伯が来てしまった。思ったよりも早い対応だ。
「セッテ男爵、それとハロルド。2人には国家反逆の疑惑がある。弁明は?」
城に侵入した時点で弁明の余地はない。
さて、どうしたものか。そう考えているとクジャク姉、リリス、ルーシェの3人が屋敷の入り口に来た。




