8章 錬金国家の貴族100 -豹変した貴族子息の話を聞く-
「来たようだな。早速で悪いが、明日の朝、王宮に侵入して戦線布告する。セッテ君には俺と共に侵入して兵を食い止めて欲しい」
「お断りいたします」
「だよねー」
ふざけた感じの雰囲気が消えた。
「君が協力してくれないと、この国は滅びる。そうなったら君は大切な人々も失う。それでも良いのか?」
「どういう事ですか?」
俺は、貴族の子達が自身の父親を幽閉し、反逆を企てている話を聞いた。
この国の貴族裏切り多くないか?
「デューク侯爵家の子息は、最近人が変わったようだと婚約者から聞いた」
「貴方の婚約者はその侯爵家の令嬢なのですね?」
「…ああ、そうだ。そいつは、小さな虫にも怯えるような奴だったんだが、数日前に会った時は、屋敷の者に対して怒鳴り散らしてた。奴は一月の間に変わっちまった。俺一人で調査した結果、何処の貴族の子息もこんな感じだ。奴以外は結構交戦的なのばかりだったから、元々変わらんがな」
「どうして俺に?」
「君の事は父や妹、それと義弟から聞いていた。会ってみて聞いていた通りの人物だった。だから、協力して欲しいと言ったんだ」
「…モーブ子爵にも相談したい。流石に俺だけで手に負えるとは思えないので」
「子爵の話も父から聞いている。だが、彼には相談しないで欲しい」
モーブは真面目だし、嘘をつくのは苦手だ。作戦がバレる可能性がある。
(認識できる人間(主に共同統治者)にバレると面倒な事になるだろう。あの人、モーブの能力使って貴族家の領地に移動したのち、首謀者達を殺害しそうだし)




