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名もなき異世界奇譚  作者: Section chief
3章 錬金国家アルケミー
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3章 錬金国家アルケミー2 -1日目・解体場前編-

依頼板から解体依頼の依頼書を持ってきて、依頼受付の女性に渡した。



「ところで何を解体するのかしら?」

「行ってみてからのお楽しみ、としか言えないわ」



ルーシェの質問に受付の女性はこう答えた。



「あんまり難しいのじゃなきゃいいんだけど…」

「大丈夫だ。俺の幼馴染(知り合い)よりルーシェの方がうまいから」



受付でサインを貰い、冒険者ギルドの解体場に向かった。解体場は港の方にあり、冒険者ギルド歩いて5分で行ける場所にある。



「俺の予想だけど今日行けば、可能性が高いのはワイバーンだな。売却された魔物の亡骸の数とか、大きさとか考えるとな」

「何でゴブリンとかオークとかじゃなくて、ワイバーンなの?他の魔物の可能性だってあるじゃない」

「人型の魔物は初めて解体するのには向かない…というよりトラウマになるから、やらせないと思う。ワイバーンの根拠は、昨日俺が10匹売ったからな」

「もしかしたら他の冒険者が、大量の魔物を売った可能性だってあるわ」

「そうかもな。ワイバーンだったら割と楽なんだけどな…」



そんなこんなで解体場に到着した。



「おう!お前らがトワノが言ってたやつらか」

「初めまして」



俺達は話しかけてきた解体場の男性職員に、挨拶と自己紹介をした。



「俺はディスマントっていうんだ。一応、ここの責任者だ。今後ともよろしく」

「こちらこそ。そんで解体の依頼の事なんだが…」

「トワノから聞いている。ついて来い」



俺達は解体する魔物が到着するのを待っている状態だ。今ギルドから運ばれてくるらしい。ギルドの地下に冷凍庫のような場所があるらしく、魔物をそこで保存している、という事を聞いた。



「そういえば薬草園の方に行ってきたんだよな?」

「はい」

「報酬の中にナイフが入ってるはずだ。それを使え」



俺達は袋の中からナイフを取り出した。

取り出したナイフに状態確認(ステータス)を使ってみた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

万能ナイフ

冒険者ギルドで支給されるナイフ。草刈りから解体までこなせる優れもの。刃に魔力を流すと切れ味が回復する。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「魔力で切れ味が回復するのか。割と魔力って万能なんだな」

「知ってたのか?」

「いや、今知った」

「説明する前にこのナイフの性能を言われたのは初めてだ…。なるほどな…。あのトワノが期待する訳だ」



と言いながら、ディスマントは笑っていた。



「それで何を解体するのよ」

「あぁ、今到着したようだ」



布が被され縄で固定された物が、10コ到着した。



「昨日の早朝、かなり状態の良いワイバーン入ったてのを聞いて、俺は直ぐに見に行った。確かに状態が良かった。ワイバーンってのは大きくて解体し易そうに見えるが、実際は損傷が酷すぎて初心者に向かない。

だが、お前さんたちは運が良い。今到着したワイバーンは損傷が少ない。今回はこいつを解体してもらう」



やっぱりワイバーンだった。



「なっ、言った通りだろ?」

「あんたのおかげで達成したも同然ね」

「まさかお前らが⁉︎」

「聞くのは野暮ってもんじゃないか?」

「…それもそうだな。今の会話からお前らは解体ができる、って事でいいんだな」

「ああ」 「ええ」

「そんじゃ解体方法は、説明しなくてもいいな。ワイバーンを1匹ずつ、解体を始めてもらう」

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