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名もなき異世界奇譚  作者: Section chief
3章 錬金国家アルケミー
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3章 錬金国家アルケミー1 -1日目・薬草採取-

ー次の日ー


俺とルーシェは、まず薬草採取の依頼を受ける事にした。


冒険者ギルドでは依頼板(クエストボード)から依頼書を取り、それを入り口の所にある依頼受付に持っていく。そこでサインを貰い依頼(クエスト)を開始する。

依頼を達成した時に、依頼主からサインを貰い、それを依頼受付に持っていくことで、報酬を受け取るというシステムのようだ。

因みに基本的に依頼(クエスト)は、複数同時に受ける事ができないようだ。



薬草採取の依頼は、ギルドが運営している薬草園に行き、説明を受けながら薬草を採るという内容だ。場所を聞いた時、状態確認(ステータス)で道を確認しておいた。ここから薬草園までは、俺の足で歩いて10分の距離にある。

依頼受付で受理してもらい、薬草園へ行った。

因みに今日の受付の担当は、モブ顔やおっさんではなく、20代ぐらいの女性だった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


薬草園に入ったところで、職員の女性が話しかけてきた。



「ここに来るのは初めてよね?」

「はいそうです」

「初めまして。私はメディシナリよ。メディーって呼んでちょうだい。採り方の説明をしないとね」



説明は不要ですって断るのもアレなんで、聞く事にした。メディーさんが採り方を見せながら説明してくれた。



「説明は以上よ。何か質問はある?」

「ないです」「ないわ」

「さっそくやってみましょう」



俺はいつも通りにやる事にした。それを見ていた、メディーさんは驚いていた。

規定個数採り終わったので、依頼書を出した。



「2人とも新人とは思えないぐらい、採り方は綺麗だし、手際はいいし…言うことないね。合格よ」



そう言うとメディーさんは、俺達の依頼書にサインをした。

ここに来る途中、「薬草の採取って難しいの?」とルーシェは聞いてきたぐらいだから、彼女はやった事が無いのだろう。本当にやった事が無いのか疑うぐらい、丁寧で手際が良かった。

そんな事を考えていると、メディーさんが突然「あっそうだ」と言った。



「どうしたんですか?」

「いま採った薬草と、このメモをギルドに持って行って貰えるかしら?」

「誰に渡せばいいんですか?」

「受付で依頼書を提出した時に、一緒に渡せばいいわ」



いま採った薬草が入った袋と、折りたたまれたメモを受け取った。



「分かってると思うけど、メモの内容は見ないように」



メモに対して、状態確認(ステータス)を使えば、内容を読み取る事もできる。だが、やらない事にした。ギルドマスター(おっさん)の能力と同じようにメモに細工されてたら怖いしな。



俺達は冒険者ギルドに戻り、依頼受付の所で依頼書を提出した。



「あと、薬草園の職員(メディーさん)からコレを渡すように言われました」



と言い、袋とメモを渡した。



「あの人が、珍しい事があるのね」



受付の女性がそういうと、さっき渡した袋と、奥の方から取ってきた銅貨60枚と袋を俺に渡した。2つの袋の中を見て薬草の数の数の合計が、報酬に書かれてたより多かったので理由を聞いてみた。



「薬草が倍の数あるんですが…」

「追加報酬よ。さっきあなた達が持ってきた袋の薬草を渡すように、メモに書かれたの」

「追加報酬なんてあるのね」

「依頼の内容以上に成果を上げた場合、支払われる事があるの。まぁ、彼女が追加報酬を払うのはかなり珍しいけどね」

「知り合いなんですか?」

「ええ。前は私と同じで、受付の仕事をしてたのよ。今は自分の力を生かせるから、薬草園に転勤したの」

「なるほど」



転勤ってことは、薬草園の職員もギルドの職員か。よく考えてみれば、ギルドが運営してるんだから当然だな。



「かなり早く戻ってきたから、今からでも解体の依頼を受けられるわ」



受付の女性が言うには、俺達は1時間ぐらいで戻ってきいた。

普通はほぼ一日使って薬草採取の依頼をこなすようだ。


「それじゃ、このまま解体の方も行くとしようか」

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