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8章 錬金国家の貴族76 -割合-
「ところで、さっき八割とか十割とか言ってたけど、あれは何なのかしら?」
「粉の割合だ。八割は蕎麦粉80%と20%で作る蕎麦、十割は蕎麦粉100%の蕎麦だ」
「何か違うの?」
「食感や喉越しが違うらしい」
「らしいって事は、クジャクも食べた事がないんだね」
「ああ。この前セッテが作ったのを食べるまで、故郷を出てから食べてなかったからな」
「そもそも蕎麦自体がジャポネーグ国の食べ物だよ。色々な国の食文化があるアズモディアでも見た事なかったし」
そんな会話をしているとセッテが料理を運んできた。
「お待たせいたしました。ケイツオの刺身と蕎麦4枚です」
食事後
「…セッテが全てを調理したわけじゃなさそうだ」
「全部彼が作ったんじゃないの?」
「刺身はあいつが調理した時と半分ぐらい、切り口が違う」
「私達には分からないわ…」
「太さが少し違ったし」
「同じに見えたけど?」
「それに喉越しや食感が違ったような…」




