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8章 錬金国家の貴族69 -交渉成立-
数時間後、元帥が帰還しすぐに交渉へ入った。
「…我々はこの要求を全て飲む。その代わり…」
「女王陛下に、できる限りの人間の助命嘆願を致します」
「話が速くて助かります」
「元帥、何故ですか?」
「彼は、いつでもこちらを全滅させる事ができるだろう」
「そうしない理由は?」
「彼がお人好しだから…としか言いようがないな。だが、敵対するものに対しては容赦しない、そんな人間だと私は思う。それに…」
「それに?」
「…殺気を感じる」
「そうですか?」
「男爵、一つ確認したいのだが、もし我々の部隊が戻らずアズモディア国に侵攻した場合、我々はどうなっていました?」
「ご想像にお任せします」
俺としては危害を加えたくないから、元帥の部隊を呼び戻してもらった。
もし戻ってこなかったら勿論全力で叩き潰していた。アズモディア国を戦場にさせるような事はさせたくもないしな。




