2章 西の大陸20 -引き受ける条件-
「そこを何とか頼む!」
「参加する冒険者に、報酬が出るわけでは無いんだろ?」
この事についておっさんの口から出てきてなかったから、無報酬なんだろうなと思っていた。
「…………参加した冒険者は、ギルド運営の宿屋の宿泊料と食事代が1年間無料になる」
「全く俺達に得が無い」
今のところ、この国にそんな長く滞在する気は無い。それなのに1年間利用料を無料にされても…
おっさんはしばらく考えて言った。
「…宿屋1年間無料と、俺の能力について教えるってのはどうだ?」
「…分かった、引き受けよう。ただし条件がある」
「あんた何言ってるのよ⁉︎ギルドマスターの能力を知っても私達に得はないでしょ⁉︎」
「情報を秘匿したいこのおっさんに、ここまで言わせたんだ。引き受けるしかないだろ」
引き受けた理由は2つある。
1つ目は、おっさんの能力について俺は知りたい。状態確認で見れなかった能力に興味がある。
2つ目は、あのおっさんは転生者の可能性があるからだ。
カタカナのルビが、解析不可能とかおかしいしからな。
おっさんは前世の名はトワノという人物で、今世は違う人間として生まれたのだろう。
俺以外に転生者を見た事がない。もしこのおっさんが転生者で前世の記憶を有しているのなら、関わるべきだと考えた。
おっさんは咳払いして言った。
「そんで話を戻そう。条件ってのは?」
「残りのパーティーのメンバーを俺が決めるって事で」
「まぁ、相性もあるしそれぐらいはいいだろう」
おっさんは登録関係の書類を取りに行くため、部屋から出て行った。




