2/540
1章 ジャポネーグ国1 -遭難-
僕の名前はセッテ・ネコヤナギ。
僕の住む《ジャポネーグ国》は島国で他の国と交易をしていない。
畑を耕したり、狩りをしなければならない。
この国では男女共に12歳になった時、1人で狩りに行く風習がある。
国主の7男として生まれた僕も例外では無い。
山で狩りをしていたけれど、帰り道が分からない。迷子になった。
3年前この風習で、今の僕と同じように迷子になった人の話を思い出した。その人は山の木々を伐採しまくった。山の異変に気がついた大人達に助けられたってのを聞いた。大人達は『生態系に影響が…』って言ってたな…
同じようにすれば確実に助かるだろうけど、これは最後の手段だな。
夕方までに山を降りなければ城の誰かが助けに来てくれるだろう。そう思い、食べられそうな野草を摘みながら待つ事にした。