4章 更に西へ54 -3日間、1日目-
ルーシェと一緒に『ネゴジオ・ウテンシル』に向かっている。彼女がデートコースにしてきたからだ。
店に連れて行く約束を、回復薬を大量購入した日にしたけど、まさかデートコースにしてくるとは思わなかった。
店に到着すると、店のおじさんが俺を見るなり話しかけてきた。
「ボウズ久しぶりだな。かあちゃん、例のあいつが来たぞー」
「なんだい?騒々しい。あら〜」
2人は俺との再会を喜んでいた。何故だろうかと思ったが、その理由はすぐにわかった。
「お前さんが前に来た次の週から、回復薬の売れ行きがさらに良くてなってな」
「あたしの仕事は増えたけど、やりがいがあっていいわ」
店に置いてある回復薬が、自作なのは状態確認で知っていた。
「そちらのお嬢さんは?」
「婚約者のルーシェです」
ルーシェは自己紹介し、会釈をした。
「結婚するのか。幸せにな」
「ありがとうございます」
そんな感じに世間話をした。
「それで、今日は何をしにきたんだい?」
「今日は、魔力回復薬を買いにきたんです」
「魔力回復薬ね。今丁度作っているところよ」
そう言うと女将さんは、奥から魔力回復薬を数本持ってきた。彼女は一本購入しその場で飲んで感想を言った。
「確かに質がいいわね。あんたが回復薬を大量購入した気持ちが分かったわ」
彼女は、この店にある魔力回復薬を買い占めた。相当気に入ったようだ。
その後は、食べ歩きをしてたのち、前に二人で行った高級ホテルへと向かった。
部屋の中に入るなり、彼女は抱きついてきた。
「今夜は寝かせないからね!」
あまりにルーシェが可愛すぎて暫く固まってしまった。彼女をお姫様抱っこし、ベッドへと運び、戦闘訓練を開始した。




