4章 更に西へ53 -俺との一日-
集合場所へ行くとすでにあいつはいた。
「おはよう。待ったか?」
「…今来たばかりだ」
「今微妙に間があったが?」
服装について突っ込みたいのだろう。いつもと同じ服装をしているからな。
デートには適していないのはわかる。だけどどんな格好をすれば良いか分からなかった。
ルーシェに聞いたが、アドバイスを貰えなかった。リリスからはアドバイス貰いたくないのであえて聞かなかった。あの服装を勧められても困るしな。
「気のせいだ。それでどこに行くんだ?」
「温泉に行くぞ」
プランを考えている時、ふと昔の事を思い出した。幼少の頃はよく一緒に風呂に入っていたが、ある時を境に一緒に風呂に入る事を拒絶されていた。それだったらこれを機に一緒に入りたいなって思ったからだ。
セッテが温泉に浸かるのを確認してから、俺も服を脱ぎ、彼が浸かっている湯へと向かった。
「クジャク姉、何でこっちに来たんだ!?」
「今日は貸切にしたから、一緒に入っても問題ない。他の客は来ないしな」
戦闘訓練をするのは夜の10時以降と決めていたが、我慢できない。
「戦闘訓練をしたい!」
「時間的にまだ早いぞ?」
俺たちが決めた事をルーシェがこいつに説明する事も取り決めていたから、知っていて当然だ。
「戦闘訓練しないって言うんだったら、装備なしで俺から仕掛けるぞ?」
「…はぁ。分かったよ。あいつらには話すなよ?」
セッテは諦めて装備を取り出し装備した。
半ば強引に迫れば戦闘訓練してくれるだろうと思っていたが、こうまでうまく行くとは…。
三回戦ったあと、部屋に戻り食事をしてから戦闘訓練を再開した。




