4章 更に西へ43 -解体-
「クジャク達はどこに消えたんだい?」
「安全な場所だ。それよりも目の前の事を考えろ」
次はディスマントをどうにかしないとな。
冒険者ギルド支給のナイフと、銃を装備してる彼は正直無敵に近い。
近接攻撃を仕掛ければ、ナイフで【能力:解体】を発動され、武器などは即座に破壊されてしまう。
「銃でディスマントを攻撃してくれ」
「さっきからやってるけど、あのナイフに当たった瞬間、弾が消えてるんだよね」
遠距離攻撃も解体してくるようだ。こうなったら、俺が直接殴りに行くしかない。だが彼女達の側から離れれば、ギルドマスターかモーブのどちらかないし、どちらもが彼女達に攻撃しにくる可能性が高い。
「ギルドマスターとモーブ、それにこの数のゴーレムを相手に何秒ぐらい持つ?」
「1秒も持たないわよ。ギルドマスターはあんたでも勝てる気がしないんでしょ?」
「だよな…」
相手の魔力がなくなれば、何とかなるだろうが、その前にこちらが魔力切れで全滅してしまう。
あまりやりたくない方法だったが仕方ない。
「もう一度、銃でディスマントを攻撃してくれ」
「どうする気?」
「あのナイフを取り上げる。そうすりゃ、銃の攻撃は届く筈だ」
「なるほど」
そういうと、リリスは銃を撃った。
俺は道具空間を直接ナイフに対して発動した。
「何!?」
リリスが撃った弾は、ディスマントに当たった。
「ディスマントさん戦闘不能です」
センティーレの声が聞こえ、彼は消えた。
これでルーシェの結界を消される心配はほぼない。結界を壊せるのは圧倒的火力を持つギルドマスターだけだと思っていた。
「ルーシェ!」
ゴーレムの攻撃で、ルーシェを覆っていた結界は破壊され、彼女は壁へと吹き飛ばされた。
「ルーシェちゃん、戦闘不能です」




