4章 更に西へ37 -ホースタイガーのアムアート-
「何故動こうとしないんだ?」
到着してからずっと動かなかった、ホースタイガーに話しかけた。
「オレハ、オマエタチニカテナイ。ムダナテイコウハシナイ。スキニシロ」
「人語を話す魔物がいるとは…」
おっさんは始めての事に驚いたようだ。魔物が話す事自体ないからな。
こいつが【能力:自動翻訳level1】を持っているのを状態確認で知ったので、もしかしたら話が通じるのでは?と考え、危害を加えずに話しかけた。
「俺と契約しないか?」
「…コロサナイノカ?」
「ああ。人間に危害を加えなければな」
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契約内容
・【人化】の能力を授ける。
・ホースタイガーに変身して闘う人間として、トワノの保護・監視下に置かれる。
・人間に危害を加えない。
(不当に危害を加えられたら、反撃しても危害を加えた扱いにはならない)
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こんなところか。
契約を済ませると、目の前のホースタイガーは少年の姿になった。袋の中から服を出し少年に着せた。
「ミノガシテモラッタウエニ、アコガレテイタニンゲンニナレルトハ…」
少年の姿になっても喋り方は変わらないのね…。【自動翻訳・level1】だから仕方ないか。
「さらっと俺の仕事増やしてないか?」
「人間が好きみたいだし、強いから冒険者にしてみたらどうだ?あと名前だけど…、今日からおまえはアムアートな」
「アムアート、キニイッタ。キョウカラオレハ、アムアート!」
名前も気に入って貰えたようだし、ギルドに戻るとしよう。




