4章 更に西へ36 -条件-
「…と言いたいが、今度はおまえがメインで俺がサポートする番だ。もちろん相手はホースタイガー5匹だ」
「俺が戦うのは、ホースタイガーじゃなくてもいい筈だし、しかもなんで5匹なんだ?」
「…不合格にするぞ?」
あからさまな脅しだ。
こうなったら、ギルドマスターの全盛期より早く倒してやる。そう思いながら、ホースタイガーの群れを探した。
「そんで、どれぐらい手を抜けばいいんだ?」
制限がなければこの場からでもホースタイガー5匹を仕留める事は可能だ。
【状態確認】で場所を把握し【見えない手】で攻撃すればいいだけだし。
「俺が視認できて、尚且つ魔物の亡骸が素材として残る程度にやってくれ。それでお前さんの能力だが…」
「全部教えた方がいいか?」
「無理にとは言わん。まぁ知っているに越したことはないがな」
【能力作成】と【状態確認】の事は知っているみたいだし、とりあえずよく使う能力の【見えない手】【手加減】【魔法無効】【世界記録 (人)】については話した。おっさんは驚いているというよりは納得していた。
「お前さんは十分強い。だが、俺の能力【雷神】は、お前さんにも適用される。モーブが言った通り、はっきり言って俺はサポートに向いてない。だからサポートは期待するな」
要は死にかけるまで基本的に手を出さないから頑張れ、ということである。
5匹のホースタイガーの群れを見つけたので移動した。
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ホースタイガーの群れを目視できる位置にたどり着いた。ここから奇襲をかける事にした。
「ここから撃ち抜きますか」
袋から故郷から持ってきた【弓】を取り出し、7種類の属性の魔力を込めて撃った。勿論かなり出力は抑えている。
虹のようになった矢が放たれた。7属性全てが合わさった攻撃は属性耐性を無視してダメージを与えられるそうだ。
(魔導書に『7属性の魔力を同時に放つと、属性耐性を無視して攻撃できる』って書かれていた)
矢は一匹に当たり貫通していった。矢が当たったホースタイガーは絶命した。
3匹のホースタイガーは、絶命したハースタイガーを見てから、周囲に敵がいないか探し始めた。残り1匹は動く気配が全くない。
俺は3匹のうちの1匹の上へ飛び、頭にかかと落としをした。
「これで二匹目」
地面に着地した時に二匹が突っ込んできたので、それをかわし、どちらにも【見えない手】による拳をお見舞いした。
戦闘開始から3分ぐらいで4匹を倒した。
因みにここまで、ギルドマスターからのサポートは一切受けていない。




