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4章 更に西へ35 -減点方式だった-
「遅いぞ、減点だ」
「そんな速さについてける人間がいるのか?こんなんで減点されてたら、合格者なんて出ないだろ」
人間が出せる限界の速度でここまできた。
ギルドマスターの能力に追いつけるのは、それこそ人外でしかない。
「冗談だ。それでもお前さんは、俺が闘い始める前に追いついた。お前さんで2人目だ」
ギルドマスターは笑いながら嬉しそうに言った。俺はため息をついてから言った。
「それで俺はサポートに回ればいいのか?」
「わかってるじゃないか、頼んだぞ!」
サポートと言っても、魔法・雷鳴を撃って、ギルドマスターへの攻撃を【見えない手】で防ぐ事しかしていない。
ギルドマスター自体は能力を十全に使い立ち回っていた。
「5分か…。昔よりだいぶ衰えたな。全盛期は一人で半分の時間でいけたんだがな」
「おっさんこそ魔族なんじゃないか?」
「かもな」
そう言うとギルドマスターは笑った。
「冗談はさておき、完璧なサポートだ。俺に雷系の攻撃が効かない事を利用した攻撃、さらに何か手のようなもので俺を護っていたな。合格だ!」




