4章 更に西へ33 -臨時職員としての雇用契約は終了しました-
1週間後、モーブが職場復帰した。
この時を待っていた。彼が復帰した事で俺も試験を受ける事ができる。
試験を受ける手続きは、昨日の業務終了前にやっておいた。受付で試験官と待ち合わせる約束になっている。
受付に行くと、モーブとおっさんが言い争っていた。
「ギルドマスターだからって、これだけは譲れないです。私にやらせて下さい」
「おまえは、今日復帰したばかりだろ?ホースタイガー5匹を倒せるのか?」
「それは…」
「きついだろ?だったら俺が行くしかないだろ」
「他の職員から聞きました。前回、試験官やった時に不完全燃焼だっただけでしょ?今回は合法的に参戦できるからってそれはどうかと思いますが?」
「…痛い所ついてくるな」
「2人して何について言い争ってるんだ?」
見当はついてるが一応聞く事にした。
「どっちが今回の試験官をやるかの話だ」
「ギルドマスターはサポートに向かないですよね?だったら私の方が適任だと思いますが?」
「今日はやけに食い下がるな…」
「どっちでもいいから早く試験やらせてくれ」
話し合いの結果、ギルドマスターが試験官に決まった。
「婚約したばかりだから、内勤の方が彼女も安心するだろ?」とギルドマスターが言い、モーブは黙ってしまった。試験官も命がけだ。この前のこともあるしな。正論ぶつけてギルドマスターが勝った。




