4章 更に西へ18 -帰還・ルーシェ視点-
無茶をするなとは言ったものの心配だから、誰にも気がつかれないように、あいつに結界を張っておいた。あいつは気がつくだろうけど。
このパーティは、リーダーのあいつが不在の場合3人で話し合ってから物事を決めるという事を、リリスがパーティに加入した時に3人で決めた。
「とりあえず前に話し合ったように、私が結界を張るわ」
「それで僕が魔法で敵の探知をしつつ、遠距離攻撃、クジャクは後ろを警戒するんだったよね?」
「ええ、そうよ」
「皆様、リーダー不在の時の事をしっかりと話しあっていたのですね」
「あいつに頼りっぱなしってのもよくないからな」
クジャクがそう言ったあとに、センティーレが「戻ったら私に魔法や剣術を教えてください」と言ってきた。
「あんたは戦わなくていいのよ。だから教えないわ」
「僕も教えないよ。センティーレは戦う必要はないからね」
センティーレはクジャクの方を見た。クジャクはため息をついた。
「センティーレ様は俺たちのように、武力で強くなる必要はないです。だから教えません」
「わかりました…」
センティーレは悲しそうな顔をしていた。
強くなりたい気持ちはわかるけど、私としては彼女には戦闘と無縁に、穏やかに暮らして欲しいと思っている。クジャクとリリスも同じ事を思い、教える事を拒否したのだと思う。




