4章 更に西へ13 -護衛開始-
モーブの故郷は、錬金国家から歩いて約半日ぐらい、西へ行った所にある山の麓の農村だ。
早朝に出発し、夕方ぐらいに到着する予定だ。
村に到着した時点で依頼は完了だが、モーブが実家に泊まっていってくれと言うので、俺たちはお言葉に甘える事にした。
「護衛任せたよ。まぁ君の事だから心配はないと思うけどね」
「よろしくお願いします」
2人はそう言うと馬車に乗り込んだ。
モーブはこの日の為に、馬車を購入したそうだ。
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「今日はやけに魔物が出ないわね。あんた未然に防いでない?」
「ルーシェは馬鹿なのか?」
「なんでそんな事言うのよ!」
ルーシェは怒って俺を殴ろとしていた。
クジャク姉はヤレヤレといった感じんで、俺をフォローしてくれた。
「今のはルーシェが悪い。護衛対象がわざわざ危険に晒されるような事にならないようにするのが一番だろ?そう思わないかモーブ殿?」
クジャク姉の質問に、モーブは苦笑いして答えた。
「その質問に今は答えられないな。一応研修中だし」
研修という名目の試験だから仕方ないか。
因みに倒した魔物の亡骸は回収して道具空間へと放り込んでいる。
「センティーレが無事で、しかも婚約したなんて今でも信じられないよ」
「リリスちゃんも婚約したんでしょ?」
「うん…」
センティーレとリリスは、自分の婚約者の好きな所を語り合っていた。




