1章 ジャポネーグ国13 -俺はまだ人間だよな?-
気絶してるクジャク姉を人質にして、逃げるしかない。それにはハオウジュさんを足止めして、クジャク姉の身柄を確保しなければならない。
ルーシェは”状態:疲労”から回復してないから、ハオウジュさんとの戦闘は無理だな…。
やっぱり俺が行くしかないか。
今の俺の能力値では、足止めすらできるとは思えない。けれどそれでもやるしかない。
ハオウジュさんだって人間だ。人間に可能な事なら俺にだってできるはずだ。俺だって同じ人間なんだから。
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追加能力
・世界記録 (人):【人間に可能な範囲の事ができるようになる】Level:Max
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自分が人間だと思いたい…。人間の範囲に収まる能力だよねコレ。人間の範囲に収まるって事はそれってすでに人外ってことにならないか?
…今はそんな事を考えている場合ではない。
このタイミングで追加されたという事は、今の状況を打開できるだけの能力と見て間違いない。
「ハオウジュさんは俺が相手する。ルーシェは…」
「分かってるわ」
ルーシェは怯えながらもクジャク姉のところへ、おれはハオウジュさんのところへ猛ダッシュした。
「そうはさせん!」
クジャク姉を人質に取る事がバレた。
ルーシェの方へハオウジュさんが向かっていったが、俺はハオウジュさんに追いつき、彼の右腕に拳を放った。彼はその場で倒れた。
「一体……何を…した……?」
「拳で一回殴っただけだけど…」
「手脚の骨が…折れたような…いたm…」
どうやら彼は気絶したようだ。
一応、状態と体力を状態確認で確認した。
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・状態:気絶・骨折(両手両脚)
・体力:10/876
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パンチ1回で”両手両脚の骨折”をさせて”気絶”させる事ができたのは【世界記録 (人)】が発動した結果だろう。いや違う。
【手加減】が強制的に発動したから、両手両脚だけ折れるという結果になったのだろう。
この能力が発動しなかったら、折れたらまずい骨が折れていた、いやハオウジュさんの肉体は吹き飛んでた可能性すらあるだろう。
「あんたどんだけ強いのよ。私はこいつに追い回されて、魔法を使いまくって逃げたのよ。そのおかげで魔力が少なくなって、あんたの部屋の床下で身を潜める羽目になったんだから」
と、ルーシェは驚いていた。
だからハオウジュさんを見た時、怯えてたのか。