3章 錬金国家アルケミー84 -40日目・クジャクとパーティメンバー-
「カンパーイ!」
「「「「カンパーイ!」」」」
今日何度目の乾杯だろうか。
セッテは酒に弱いから、宿まで連れて帰らないといけない。それにルーシェは初めて酒を飲むそうだ。俺はあまり酒を飲まない事にした。というよりは、ジャポネーグのお酒自体が高価すぎてちびちび一杯飲むのが限度だ。
セッテは値段は気にするなと言っていたが、一杯金貨1枚となると流石に気が引ける。
俺以外の全員が5、6杯飲んだ辺りで、恋愛についての話になった。
「おれにはそんな相手いないよー。だからそっちの経験もないよー」
「こいつDTだった。あははは」
「…流石にその発言はどうかと思うが?」
一国の姫だったルーシェが言っていいことではない。流石に俺でも注意する。
「クジャク、あんたは黙ってなさいよ!」
ルーシェも相当酔っ払っている。
ワカとシュンペイは、頷いて話を聞いているが、意識があるのか無いのはっきりしてない状態だ。
「何が悪い!」
「悪いわよー」
「それじゃ、お前は経験あるのかよ。このアバズレ!」
「あ、あるわけないじゃ無い!男と女を一緒にしないで欲しいわ!そうよねクジャク?」
「まぁそこは同意するが…」
その言葉に同意したら彼女は増長して「DT野郎」とセッテの事を呼び続けた。
「うるさい!」
と泣きながら叫び、金貨5枚を置いてどこかへ行ってしまった。追いかけようとしたが、ルーシェが寝てしまい、その場を離れる事が出来なくなった。
しばらくして、ワカとシュンペイは酔いが程よく覚めていたので、御開きとなった。
帰り際にワカが、「言い忘れてたけど、今日から俺たち騎士団だから、あの宿からでるぞ。セッテに伝えといて」と言った。
騎士団には寮が用意されている。だから今日からあいつ1人のはずだ。すきあらば忍び込んで…。
そんな事を考えながら、ルーシェを背負い宿へと戻った。




