3章 錬金国家アルケミー82 -40日目・この世界に来てからはじめての…-
冒険者ギルドへと戻り、おっさんに事の顛末を話した。
「…それで…引退するのか?」
「いや、しないぞ。何でだ?」
「領地もあるし、商人ギルドに入会してるから、冒険者をやらなくても生計をたてられるからだ。それに…」
おっさんの話の途中で、ルーシェとクジャク姉がギルドへ入ってきて、話しかけてきた。
「あんたの方も依頼が終わったようね」
「お疲れ様。回復薬飲む?」
「前にあんたが大量購入したやつ?それならいただくわ。あと、依頼達成の手続きお願いね」
ルーシェがおっさんに依頼書を渡した時に、俺は彼女達に回復薬を一つずつ渡した。
「あいつらは合格してたのか?」
「当人達から聞け。そろそろ戻ってくるはずだ」
クジャク姉がそう言うと、2人はギルドへ入ってきた。
「もう疲れた…動けない…」
「折角合格したのに騎士団を辞めたくなった…」
2人とも合格したようだ。
ただ、彼女たちの教官としての仕事は、かなりきつかったようだ。
「とりあえず合格おめでとう」
そう言いながら2人に回復薬を一つずつ渡した。
「さて、予定通り飲みに行くとしますか」
俺以外がギルドを出た時に、おっさんに話しかけた。
「それで、さっき何を言おうとしたんだ?」
「…いつか話す。あいつらを待たせる事になるしな。さっさと行け」
「わかった。話せる時がきたら話してくれ」
そしてギルドを出てみんなで酒場へと向かった。




