3章 錬金国家アルケミー76 -40日目・加盟店-
商人ギルドの説明をしよう。
まず商人ギルドへの入会方法は二つ。
一つは、商人ではない者が入会する場合。貴族などから紹介され、ギルドマスターの試験を受け合格した者が入会できる。俺が入会した方法だ。
もう一つは、商人や商店、職人の場合。商人ギルドが調査を行い、基準に満たしていれば入会できる。
年会費などは特にない。運営費用は、商人達の寄付で成り立っている。寄付が多いほど発言が通ったりする訳でもない。本当に気持ちなのである。
商人ギルドに所属しているだけで、店や職人は信用される。品質等が保証された店や腕の良い職人として認められるのである。
それと、欲しい品物を融通して貰えたり、商品を少し安く購入できる特典がある。
俺がいた元の世界では考えられないシステムだ。
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「次で最後だ」
リストの最後に書かれている場所に来た。『ネゴジオ・ウテンシル』と書かれた看板の店の前に。
扉を開けて店の中へと入った。
店員の男が俺を見るなり言った。
「いらっしゃいませ。あんたはこの前の…」
「お久しぶりです」
「かあちゃん、こっちへ来てくれ!」
「なんだい?騒々しい」
「あら、この前の…」
「お久しぶりです。回復薬を7つ下さい」
女性は申し訳なさそうな顔をした。
「今6つしかないわ。最近どういうわけか回復薬の売れゆきが良いのよ。今すぐ作るわ」
「少し待っててくれ」
「分かりました、少し待ちます」
ワカとシュンペイ曰く、回復薬はあくまでも薬で苦く非常に不味い。だがここの回復薬は苦くなくて、とても飲みやすいらしい。
その話を2人から聞いた後、冒険者ギルドの職員達にも飲んで貰ったのだが、同じ事を言っていた。
職員の何人かが、店の場所を聞いてきたので教えた。彼らも来店したのだろう。
この店の商品を眺めて時間を潰すことにした。もちろん状態確認を使って。
この人たちが作る回復薬もそうだが、
前に来た時より品質がさらに良くなっていた。値段を倍にしても良いんじゃないかって思うぐらいに。そんな事を考えていると店員の男が話かけてきた。
「回復薬7つだ」
お代を渡し回復薬を受け取った。その後冒険者ギルドへと戻り依頼を達成した。




