3章 錬金国家アルケミー71 -37日目・実技試験・後編-
2人の前に行った時、突然霧が発生した。
「お前と戦う気はない」
そう言うと、彼らの姿は霧の中に消えた。
俺には状態確認がある。だから視界を潰されても平気だ。
2人の位置と大会後に習得した事項を表示した。2人とも魔法を習得したようだ。ルーシェが教えたのだろう。
何故彼らが霧を発生させたかは、すぐに分かった。
ルーシェの反応が場外にあった。彼女を退場させるためだ。視界を奪われ、降参せざる得ない状況になったのだろう。彼女は降参する前に、しっかりと5人ほど戦闘不能に追い込んでいた。
クジャク姉はどうだろう。
彼女はHPがかなり減っていた。気配だけを頼りに残りの3人を倒した所までは良かったが、HP切れで退場になってしまった。
さてと、仲間もいないし敵は2人のみだから、一応騎士団の許可を取ってからやりますか。
「そろそろ、本気を出していいですか?」
大声で試合を見ている、騎士団の団員に尋ねた。
「良かろう!」
騎士団の団員が大声で返事を返してきた。
状態確認+手加減+見えない手+世界記録 (人)を使い、彼らを地面に叩きつけた。
彼らはボロボロの状態で地面に倒れていた。
「あれはやり過ぎじゃないか?」
「彼らは俺のパーティーに所属してますし、手を抜いたと思われたくなかったので…」
「…一歩間違えたら死んでたぞ?」
「死なない程度にやったのでその辺は大丈夫かと…」
「そういう問題ではない!」
めちゃくちゃ怒られた。あと俺の分の報酬は減らされた。(この2人に対しての賠償に充てるらしい)
冒険者ギルドの宿に帰り、2人に対して謝り倒した。2人とも「気にするな」って言って許してくれた。
2人はルーシェの回復魔法で治療されました。




