第六話:【冒険者ギルドと豊満なお姉さんと私】
髪型よし。身だしなみよし。薬草よし。錬金ポーションよし。
簡易調合材料よし。荷物諸々よし!
自分のお店の前で冒険者ギルドへ赴く為の確認をする。
今回は初の依頼をするわけだからしっかりとしておかないといけない。
うごめく花の為だ。初の戦闘になるのだから何があるかわらかないもの。
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冒険者ギルド。街の中心にある市場から西の方角へ歩いた表通りにある建物だ。
城壁からも近い位置にあるこのギルドは昼間も夜も多くの人々が行き交っている。
背の高い男、エルフの人。小さいがその背中には自分の体の二倍はあるかもしれない斧をもっているドワーフ。見ているだけでもすごい。
ノブレスは入り口にはいりながら中の様子を見る。正面のカウンターには女性が立っている。
おそらくあの人が依頼を受け付けてくれる人だろう。
そのカウンターの両隣では二階へと続く階段がある。入り口からはいってすぐには冒険者達の交流の場になっているのか、テーブルと椅子がキレイに並べられており、そこに冒険者達が会話を楽しんでいる。
あまりにも大きな声と周りの雰囲気に気圧されながらもカウンターへ行く。
「あら。見ない顔ね。新しい冒険者さんかしら。」
長くてキレイな青髪を後ろで結んだ高身長の女性が私にはないその豊満なボディを見せつけながら私へ話しかける。
う・・うらやましいとは思ってないもん。
「いえ、モンスターの素材を集める為の討伐依頼を頼みたいのですが。」
「なるほど。ってことは依頼者さんね。どのモンスターを狩るの?資金は?期間はどのくらいかしら。」
ふうんと私を一瞥した後、依頼者だとわかると営業モードに入ったのか質問をしてくる。
「ええと。すぐ街をでているうごめく花なんですけど・・。なるべく早めにその花びらの素材を手に入れたくて。私、初めて依頼するので、相場がちょっとわかんなくて・・。」
多少緊張しちゃった部分はあったけれどちゃんと要件を言えたのでほっとする。
「その依頼なら簡単だからあまりお金はかからないわよ。お嬢ちゃんでも支払えるわ。そうねぇ・・。
だいたいではになるけれど450Gくらいかしら。」
450G。 うちの回復ポーションが一つで70G。気付け薬ポーションは150G。
討伐する花の花びらは1体で24枚程度。1個のきつけ薬で1枚しか使わないし、ニンニクとネギなんかは大量にかっても両方100Gいかないくらい。ってことは・・・あれ?かなり安いんじゃ・・。
「あ、全然大丈夫です。私も同行するので、ぜひお願いします。」
私はバッグから依頼料を出す。
「多分半日もかからないと思うし、危険も少ない簡単なお仕事だからちょうどこの前冒険者登録されたコ達が依頼探しているはずだから連絡してみるわね。」
彼女はそう言うとカウンターの下から持ち出した手持ちサイズのベルになにか詠唱を唱えるとそれを私に渡す。
「このベルが自動で鳴ったらカウンターに来て頂戴。ただし冒険者ギルドから出ると効果なくなっちゃうからそのへんにでも座ってまっててね。」
ウインクをされながら渡された私はそのまま近くの椅子に腰掛ける。
あ、友好ステータスが伸びてる・・。
はじめての冒険だというのに、それでもステータスが伸びた事に目が言ってしまう。
ギルドの人とかにはちゃんと友好あげておかなければ・・。と思いつつ、ノブレスは彼女からの
連絡を待つことにした。