第四話:【人の上に乗っかる好感度。】
それから気がついた時には私はベッドに寝ていた。
直ぐ側にはリカルドが不安そうな顔をしながらこちらを向いていた。
そう。そこで私の見る世界は変わってしまったのだった。
その不安そうなリカルドの頭上に映る青色の変なステータスに。
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このステータスは変な形をした物と三つの棒が横に並んでいる。
あれ以来私はこの三つの棒について調べて解ったことがある。
これは相手が私の事をどう思っているかを表示している様だった。
一つは☆型の形がありそこから青色の棒が伸びている。
これはいわゆる【人との友情】など一般的な仲の良さを示している。
リカルドや祖父の知り合いの人たちはこの棒が一番伸びていた。たぶん・・合ってるはず。
次のマークは♡型の形をしている。ピンク色の棒が伸びている。
淫魔とのやりとりがあったからこそもしやと思ったが、
やはりこれは【親愛・親密】がわかる。いわゆる愛情だ。たぶんスケベなことを考えていても伸びる。
私の事を好きになってくれる人なんているのか、と思っていたがこれは絶対に合ってる。
しっかりとした確証が取れた。あまり言いたくはないけど。
そして最後が赤い骨のマークだ。まぁこれは察するに【嫌悪・恐怖】といった嫌なパラメーター
だ。調合を失敗した時に側にいた犬がこの棒が伸びた。きっと嫌なことだろう。
この3つの棒とマークが人の頭上に四角い枠に入っている。
これってある意味禁忌だよね・・・。
もしかしてと思って魂等に声かけることができるかとは思ったけど、それは出来なかった。
ただただ祖父が残した実験はある意味すこしは成功したように見える。
初日からしばらくは慌てていたけれど、今となっては大分落ち着いたとは思う。
特に支障はないもの。ただちょっと恥ずかしい事とかもわかるからあれだけど・・。
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その後は色々と大変だったのだけれど、私が祖父の店を引き継ぐ事にした。
今私にできることを探したいし、なによりも大好きな祖父のお店で学んだり錬金術師としてのやりがいを
見つけたかった。
もちろんお店の経営とかはあまりわからなかったからリカルドさんや他の人の助けがあって
徐々にできるようになっていった。
商会ギルドがら正式の経営証を許可してもらい、簡単な経営の勉強もした。
材料とかも最初は援助してもらってけど、私も勉強が落ち着いたので、次回からは自分で採取するので
断った。
最初は怪我や病気を和らげるポーションを専門に売りに出すことにした。
勉強していた部分でもあるし、なにしろ調合がすごく簡単なのである。運良くここらへんでは
回復役のポーションはここより距離がある離れの病院しかなく、病院用のポーションのため値段が張っている。
安いポーションを買いたいときはだいたい14日ほど経過してから別の地域からくる行商人を待つしかなかったのだ。
錬金術師は高度な知識も要るため、調合薬も高級なものが多い。だから売るにしても安い回復ポーションなんてあまり販売したがらない。
だからこそ私のポーションは庶民にとって大助かりになったみたいだった。
なかなか大変だったけれど困っている人の助けになれて嬉しい!と心から思う。
でもステータスついてるからなぁ・・。
感情がわかるって怖いようだけれど考えようによってはすごく面白い。
たとえばいつもポーションを買いに来る冒険者のロンはすごく♡マークが高い。
恥ずかしいけど私の事好いてくれているみたいなのだ。もちろんわからないように
「いつも、ありがとね。」って微笑えんだら「ノブレスのポーションすごく好きだ!」って
顔を紅潮させて言ってくれた。
「お嫁さんにしたいくらいかわいい!」とも言われた時には驚いたけど、
君13才だよね・・?お姉さん嬉しいけど年齢差が!と思いながら♡の棒が枠を飛び出しているのを見て
なんともいじわるしたい気にもなってしまう。
あれ・・。私これ。淫魔の影響あるのかも・・?
ま、いっか。さーて!今日もがんばりますか!
と材料箱を見たが少なくなっているのに気が付きノブレスは材料集めに出かけることにしたのだった。