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第一話:【始まりの訃報】

【ノブレス・ロマーニュ】


これが私の名前だ。ロマーニュ家として生を受けた私は、両親と暮らしていた。

ヘタルという都市とは離れた村で田舎暮らしをしている。


私が6歳の頃に祖父の【ダイスケ】に錬金術を見せられ、それに興味を持った私は農家で穀物を育てている両親よりも錬金術を学び、将来錬金術師としてお店を経営すると目標に決めた。

だが、錬金術学を学ぶお金などあるわけなく、魔法学校には行かずに、祖父からもらった錬金魔法術書をボロボロになるまで勉強していた。

祖父はこの世界でも有名な魔法都市マーゴ・ジュラーレという都市の裏通りに住んでいた。

私が15歳になった頃、両親から祖父が異世界から来た転生者と聞いた時はなにかと思っていたが、転生者はこの世界に住む人々とは違う特殊な体質を持っているらしい。

祖父はその中でも錬金術魔法に長けており、病気や怪我を治療する錬金屋を経営していた。

だが、貧しい人々の場合はお金を貰うことなく、提供していたせいでいつも貧しい暮らしをしていたという。

そして18歳になった誕生日に、祖父がお店のサポート役として私を雇ってくれると話していた。

それを楽しみにしながら、毎日勉強を欠かさず日々魔力を高めていくように練習をしていたんだ。


だけど祖父と一緒に働くことはできなくなった。

二月ほど過ぎた頃、私宛に手紙が届いたと同時に、祖父が病気で亡くなったと訃報が届いた。

あれだけ元気で優しかった祖父が亡くなった事に信じられずその場で呆然としていたが、錬金術師として生きて行きたかった私はこれからどうなってしまうのか絶望していた。


涙がこぼれ落ちながら、まだ開いていなかった手紙を開く。

そこには私と過ごしていた日々の出来事や錬金術に興味をもった私に感謝を綴っていた。祖父の子供である私の母親は魔力を持っていなかったけれど、私が生まれた時に祖父と似ている魔力を持った私を両親よりも喜んでいたのである。と。

震える手で二枚目を見る。

祖父の最後のお願いが書かれていた。だが、なにか変だ。


【お前にしか頼めない。どうか私の住んでいる家に来て欲しい。そこで暮らしながら私の最後の願いを聞いてくれ。】


と書かれていた。

あの祖父が私に何を頼っているのだろう・・。

しばらくは悲しみに暮れていたが、私は祖父の願いを聞く為に、両親に別れを告げ、祖父の家に行くことになった。



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